ちょっと何かしてみよう

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『ちょっと何かしてみよう!』     
      
◎◎◎環境を考える◎◎◎


「農業守れ!1万人訴え」      NEW !!

 世界貿易機関(WTO)、日豪経済連携協定(EPA)などの交渉で農畜産物の関税撤廃が議論されていることを受け、「食と農と暮らしを守る6・16沖縄県民大会」が、那覇市の奥武山運動公園多目的広場で開かれた。
 農家や農業団体、経済団体の関係者ら約1万人(主催者発表)が参加。県の基幹作物であるサトウキビ、肉用牛、乳製品(酪農)、パイナップルを関税撤廃品目から除外するよう求める大会決議を採択した。
 県試算によると、サトウキビなど4品目の関税が撤廃された場合の影響額は、生産額で229億円、波及効果を含めると781億円に達する。キビやパインなどは壊滅的な打撃を受け、離島では離農に伴い地域経済・社会が崩壊する可能性も指摘されている。
 大会は、こうした事態を回避しようと企画された。県内で農業関係の県民大会が開かれたのは1988年のパイン輸入自由化反対総決起大会以来19年ぶり。
 主催者を代表し、仲井真弘多知事(大会実行委員長)は「今こそ、県民が一丸となって食料・農業と県民の暮らしを守るため、全力を挙げて取り組もう」とあいさつした。
 決議に続いて「実現しよう!地域を守る国際貿易ルールの確立を」「守ろう!沖縄の産業・農業の基盤を」など4つの大会スローガンを採択した。

「びわこ地球市民の森のつどい」      

 守山市今浜町一帯の県営都市公園「びわこ地球市民の森」で、「びわこ地球市民の森のつどい2007」があり、市内外から訪れた約1500人が植樹活動に参加した。
 人々は園内の河川沿いの土をスコップで掘り起こし、クヌギやコナラなど約3300本の苗木を丁寧に植えつけていた。
 緑豊かな公園作りを目指して01年に始まったイベントで、守山市民を中心に企業やボランティア団体の協力を得て、これまでに約1万8000人が参加し、約30種類、計6万2000本の植樹を行ってきたという。
 2人の男の子を連れて参加した近江八幡市の主婦は「子どもたちが自然と触れあういい機会になりました」と喜んでいた。
 このほか、市民吹奏楽団による演奏会が催されたり、ミニ動物園コーナーなどが設けられ、訪れた人々は春の日差しのもとでゆったりと休日を楽しんでいた。
 実行委員長は「7年目を迎え、知名度の高まりを感じている。つどいを通じ、環境問題について考えてもらうきっかけになれば」と話していた。

「小学校に咲いた絶滅危惧の花」      

 広島市安佐南区の古市小の庭に、環境省が絶滅危惧(きぐ)II類に指定するオキナグサが初めて花を付けた。
 学校側は校内で増やすとともに、種を採取して子どもたちに育ててもらうことも検討している。
 元校長の西山樹さんが昨年3月、自宅で育てた25株を持参。技術員の木下英士さんが移植し、管理してきた。ひと冬を越して株は半数に減ったものの、3月中旬から釣り鐘型の花が下向きに開き始めた。

「やんばる国立公園化の推移」      

 環境省の「国立・国定公園の指定および管理運営に関する検討会」は、沖縄県のやんばる(本島北部地域)について、国立公園指定を検討するよう求める提言を同省に提出した。これを受け環境省は指定に向けた具体的な調査に乗り出すことを決めた。やんばるにはSACO(日米特別行動委員会)で過半の返還が合意されている米軍北部訓練場が含まれているため、環境省は「返還のタイミングまでに必要な準備を進める」と説明。指定は返還が前提となることを明らかにした。
 やんばるの国立公園化の議論は1996年のSACO最終報告で北部訓練場の過半の返還が合意されたことに始まる。だが返還の条件とされたヘリコプター着陸帯の移設をめぐり、移設予定地に近接する住民が見直しを要求するなど、当初「2002年度末までをめどに」とされていた返還時期は大きくずれ込んでいる。国立公園の指定時期など具体的な見通しは不透明だ。
 検討会が「照葉樹林は優れた自然の風景地として評価すべきだ。特にやんばる地域は国立公園の指定を視野に入れた、より詳細な評価を行う必要がある」と提言したのに対し、環境省は「照葉樹林などは重点的に調査する。やんばる地域については国立公園指定を視野に入れた詳細な評価を行う」と回答。今後は公園の指定範囲や動植物の生態など必要な調査を実施し、県や関係自治体にも理解と協力を求めていく考えだ。
 検討会の提言は、素案にはなかった「わが国の照葉樹林は、アジアの中でも特異な景観を示している」との記述を新たに加えた。

「渡り鳥飛来、20年で半減」      

 日本各地の干潟に飛来するシギやチドリ類の数が、過去20年ほどの間に、4〜5割も減ったとの分析結果を、世界自然保護基金(WWF)ジャパンがまとめた。埋め立てなどによる干潟の破壊で、日本を中継地として利用する渡り鳥の数が減ったことが原因らしい。
 1973〜85年の間に日本野鳥の会などが全国で行ったシギ・チドリ類の飛来数調査と、環境省が中心になって進めている99〜2003年までの調査結果を比較。85年までの調査では春に平均約9万6000羽、秋に同5万1000羽のシギ・チドリ類が確認されたのに比べ、03年までの調査では春は少なくとも42%、秋は51%減っていることを突き止めた。
 日本のシギ・チドリ類の中で最も数が多いハマシギも36%減っていたが、コチドリやオグロシギなど淡水の湿地を利用する鳥の減少が目立ち、数が90%以上減った種も少なくなかった。
 同会では「水鳥の数は、人間にとって快適な自然環境が保たれているかどうかの指標でもある」と指摘。「失われた湿地の再生などが急務だ」と話している。

「住宅断熱材からの温室ガス」      

 経済産業省は住宅建材用の断熱材という「隠れた」温室効果ガス排出源の対策に乗り出す。断熱材には、二酸化炭素(CO2)に比べて温室効果が1000倍程度も高い「代替フロン」と呼ばれる気体がCO2換算で年間500万トンも使われており、これに代わる新材料の開発で、温室効果ガスの排出削減を目指す。
 経産省によると、建材用断熱材の2〜3割には、発泡剤としてハイドロフルオロカーボン(HFC)などが使われている。
 HFCは、オゾン層破壊を防止するため、使用が禁止されている特定フロンに代わる代替フロンと呼ばれる物質の仲間。断熱効果を持つ一方、環境に漏れると高い温室効果を示すため、京都議定書でCO2などと並ぶ温室効果ガスの一つに指定されている。
 冷蔵庫やエアコンに使われる場合は回収が義務づけられているが、建材用断熱材の場合は、解体までの長い期間に、大半が自然に漏れ出ているとみられる。
 経産省は、断熱材の気泡の大きさを現在の1000分の1程度、10ナノメートル(ナノは10億分の1)まで小さくする技術を開発するなどして、HFCなしでも断熱効果が十分にある材料の開発を目指すとして、5年計画で来年度予算にまず3億円を計上した。 05年の建材用断熱材のHFC使用量は約5000トン。将来、この分量がすべて大気中に放出されると、温暖化への寄与ではCO2換算で500万トン規模となり、日本が1年間に排出するCO2の約0.4%に相当する。

「円山川の改修工事」      

 国土交通省豊岡河川国道事務所は、河川工事に絡み、円山川へ高アルカリ排水が流入していた可能性を事実上認め、新工法での排水対策を決めた。予想以上に粘土質が多く、河川への灰汁流入の可能性が考慮できなかったと釈明している。
 一方で、「環境のためとはいえ、無制限に金をかけるわけにもいかない」と話し、予算内で治水と自然保護の両立をはかる難しさを語る。コウノトリの野生復帰に重要な役割を担い、自然豊かな「母なる川」をいかに守るのか。“難工事”は続く。
 03年に県が定めた「コウノトリ野生復帰推進計画」では、「自然と共生する河川整備」が計画の柱の一つに位置づけられている。04年の台風23号による直轄河川激甚対策特別事業でも、事業を紹介する同事務所のパンフレットには「自然環境にやさしく」「生き物の棲む湿地をつくる」などの言葉が並び、コウノトリの写真も掲載され「自然との共生」がうたわれている。
 同事務所が「考慮できなかった」とする高アルカリ性の排水。固化剤販売業者によると、環境に優しいとされる酸化マグネシウム系の固化剤は、セメント系に比べると1キロあたり3〜6倍の値段。05年の激特を請け負ったある業者の現場責任者は「固化剤をマグネシウム系に切り替えると赤字になる」と明かす。
 国の予算配分の偏りで被災前まで、円山川水系にあてられた河川改修予算は年約12億円。大きな被害があったからこそ、54年分にもなる約650億円の予算がつき、堤防づくり、洪水時の流量を増やす河道掘削が進められている。
 コウノトリの野生復帰に理解を求める際に、行政が掲げる「コウノトリに優しい環境づくりは、人間にも優しい」とのキャッチフレーズを、いかに実践していくのか。同事務所はこれからも、難しいかじ取りが続く。
 いずれにしても、一度失った自然は簡単に元に戻すことはできないのだ。国が環境への配慮の余地をもった弾力的な工事指針をつくるべきであろう。

「湧き水よ再び」      

 湧き水の復活に向けたガイドライン作りに環境省が乗り出す。かつては日本各地でみられた湧き水が、開発の影響で枯渇するケースが増えてきたためで、国として方針を打ち出すのは初めて。同省は「自治体で湧き水保全や復活に取り組むきっかけにしてほしい」と期待している。
 平成19年度予算に組み込まれたが、3カ年計画で、ガイドラインは21年度中に作成される予定だ。
 湧き水は飲み水といった生活用水や農業用水に使われてきたが、水道の普及に伴い、利用が激減。さらに、住宅地開発や過剰なくみ上げなどで湧き水の水質が悪化したり、量が減少・枯渇する事例がみられるようになった。
 悪化する状況のなか、18年春に閣議決定された第3次環境基本計画で健全な水循環の指標に「湧き水」が指定され、同省は「復活・保全の手助けを図りたい」とガイドラインを作成することにした。自治体からもガイドラインを求める声が出ていたという。
 ガイドラインでは、自治体が湧き水の保全・復活を図る際の調査手順を示すほか、住民と協力しての保全活動や復活させるための方法を示す予定。毎年2地区程度でモデル事業も実施し、結果を反映させる。
 同省が昨年行った調査では全国の全都道府県に湧き水があり、自治体が把握しているだけでも1万カ所以上あるというが、湧き水の水位の減少や枯渇は、各地で以前から問題になっていて、都市では地表がアスファルトで覆われて雨水が染みこまなくなったほか、開発で湧水地点自体がなくなってしまうケースもある。

「ヤンバルクイナ絶滅危険高まる」      

 環境省は22日、絶滅の恐れのある野生生物を分類した「レッドリスト」の改訂版を発表した。それによると、沖縄本島北部に生息するヤンバルクイナは、生息数が激減して保護の必要性が高まったとして、絶滅危惧I類の中でも、より状況の深刻な絶滅危惧IA類にランクを上げ、ごく近い将来に絶滅の危険性が高いとしている。
 このほか爬虫類や両生類などを含めて、南西諸島の野生生物にとって生息環境の悪化や外来生物の影響がさらに高まっていることが示された。
 鳥類では、サシバが、ランク外から絶滅危惧II類(絶滅の危険が増大している種)に新たに入った。ホントウアカヒゲも、絶滅危惧II類から絶滅危惧IB類となった。
 爬虫類では、ミヤコカナヘビなどのランクが上昇。絶滅の恐れがある爬虫類三十一種のうち、三十種が南西諸島に生息する危機的状況となった。
 両生類でも、これまでランク外だったヤエヤマハラブチガエルが新たに絶滅危惧II類に。絶滅の恐れのある両生類の種二十一種のうち、八種が南西諸島に生息するカエル類だった。

「進行する中国の環境汚染」      

 水も空気も直接のように日本と繋がっている中国の環境汚染が問題視されている。これまででも問題であった中国の環境汚染の状況は、以前よりも悪化しているのだ。
 このたび公表されたデータによると、水質汚染と大気汚染が特に悪化の一途をたどっていることが分かった。
 中国の環境保護総局と国家統計局、発展改革委員会が共同で「2006年上半期全国主要汚染物排出総量公報」を公表した結果、露呈した。
 それによると、今年上半期の全国の化学的酸素要求量(COD)では、汚染物質の総排出量が689.6万tとなり、昨年の同じ時期と比べ3.7%高くなっている。
 二酸化硫黄の総排出量は1274.6万tとなり、去年同時期と比べ、4.2%高くなった。これらのデータにより、中国の環境汚染は悪化していることが分かる。
 日中両国が真剣に話し合って、日本のこれまでの経験とノウハウを投入していくべきだと思う。

「東京の全小中学校に芝生校庭」      

 東京都は来年度から10年かけて、都内に約2000校ある公立小中学校のすべてで校庭を芝生にする。
 都道府県が全校を芝生化するのは全国でも初めてで、皇居の2倍に相当する面積の緑地が新たに生まれる計算。都は都心部のヒートアイランド現象を抑制するとともに、子供たちが屋外で遊ぶ機会を増やし、運動能力の向上にもつなげたい考えだ。
 東京では1960年代まで、小中学校の校庭はほとんどが土で、その後、都心部を中心にアスファルト化が進んだ。
 最近は、細かく砕いた石灰岩を敷き詰めて水はけを良くした「ダスト舗装」や、全天候型テニスコートなどで見られる「ゴムチップ舗装」が主流になっており、現在、全面的に芝生化されている小中学校は44校にとどまっている。

「環境への巨大な影響に配慮を」      

 中国国家発展・改革委員会は、北京市内の人民大会堂で開かれたフォーラムで「第11次5カ年規画によると、2010年までに自動車で使われる燃料のうち、エタノール混合ガソリンが過半数を占めるようになるだろう」と述べた。
 また「バイオエタノールの生産開始から5年が経過し、現在では4社が生産を行っており、年産能力は102万トンになった」「黒龍江など東北3省と河南、安徽両省などでエタノールの使用を推進した結果、自動車で使われる燃料のうち、エタノール混合ガソリンが20%を占めるようになった」と付け加えた。
 中国農業大学の教授は「中国は生物資源が豊富だ。農林などの有機廃棄物の潜在的な年産能力は標準炭換算で3.82億トンで、農業には適していない土地から得られる植物エネルギーの潜在的な年産能力は4.15億トンに達する」と指摘。
 2020年までにバイオエタノールを2300万トン、バイオディーゼルを500万トン、自動車用メタンを60億立方メートル、バイオプラスチックを1200万トン生産することが可能だという。
 一方、先進国30カ国による国際機関、経済協力開発機構(OECD)パリの本部は、中国の環境政策に関する審査結果と提言をまとめた初の「中国環境レビュー」を発表した。中国地方政府の環境関連法規、法律の執行、順守不足を指摘し、「中国の国家環境保護総局を環境省に昇格させ、環境税導入など経済手段による地方政府への監視、監督強化をすべきだ」と苦言を呈した。
 中国国家環境保護総局は、中国が今後10年内に世界最大の二酸化炭素排出国となる、と危機感を示し、OECDの指摘について「基本的に認める」と述べている。

「主要先進国の温室ガス排出」      

 日本など主要先進国26カ国が04年に排出した温室効果ガスは過去最大の144億2600万トン(二酸化炭素換算)に上り、京都議定書の基準年となる90年に比べ11%増加したことが、気候変動枠組み条約事務局のまとめで分かった。
 旧ソ連圏14カ国を含めた40カ国の排出量は179億3200万トンで90年比3.3%減となったが、同5.2%減を目指す議定書の目標は達成できなかった。
 事務局は「先進国はさらに強い削減策が必要だ」と指摘しており、ケニアのナイロビで開幕する京都議定書第2回締約国会議(COP/MOP2)で報告する。
 議定書は、40カ国の全体の排出量を2008年から12年の5年間平均で90年比5.2%以上削減することを定めている。
 主要先進国26カ国で議定書を批准した22カ国のうち、04年時点で国別削減目標に達したのは90年比14.3%減の英国、同3.5%減のスウェーデンなど4カ国。日本の排出量は13億5500万トンで同6.5%増(目標は6%減)だった。
 ロシアなど旧ソ連圏の14カ国は経済活動の低迷もあり、同36.8%減となった。しかし、ここ数年は増加傾向で、00年比は4.1%増だった。
 議定書を批准していない米国の排出量は70億6800万トンで90年比15.8%増、オーストラリアは5億2900万トンで同25.1%増だった。
 今回の締約国会議は、議定書に定めのない2013年以降の排出削減の枠組みに関する議論が焦点となる。市場原理を生かして排出を削減するため、排出量(権)取引の促進なども話し合われる。

「新千歳空港の融雪剤流出」      

 ラムサール条約登録湿地のウトナイ湖(苫小牧市植苗)に注ぐ美々川の支流・美沢川で、新千歳空港で使う融雪剤が原因とみられる水質汚濁が起きている問題で、空港を管理する国土交通省東京航空局は、周辺環境への影響や対策を検討する検討委員会を設置し、新千歳空港事務所で初会合を開いた。
 美沢川では融雪期の2〜3月、水質汚濁の指標となる生物化学的酸素要求量(BOD)の値が美々川の環境基準(1リットル当たり2ミリグラム以下)を大きく上回り、今年3月の調査では一時的に1リットル当たり100ミリグラムを超えた地点もあった。
 同空港では冬場、融雪剤や機体の着氷を防ぐ防氷剤を計約1100トン使用。いずれも有害ではないが、雪解け水などとともに美沢川に流れ出し、水質汚濁の原因とされている。
 検討委は同局や航空会社、苫小牧市、学識経験者ら11人で構成。大学教授でもある委員長は「環境への影響をどう判断し、どのような対策をほどこすか、議論して最終的に提案したい」と語った。
 同日は現地を視察した後、融雪剤の使用量や水質調査の結果など現状について説明を受けた。今後、改めて美沢川の水質調査を実施し、来年度以降対策を検討する。

「森林認証取得を支援」      

 大手文具メーカーのコクヨ(大阪市)と大正町森林組合(高岡郡四万十町)などが森林環境保全に取り組む「コクヨ―四万十・結(ゆい)の森プロジェクト」の活動内容が、13日までに明らかになった。四万十町内で100ヘクタール程度のモデル森林を設定し、本年度内に国際森林認証のFSCを取得。最終的には、認証森林を約6000ヘクタールにまで拡大する計画だ。
 同プロジェクトは、コクヨが同森林組合ら地元住民と連携。「環境と経済の循環」により、地域の再生や活性化を目指す。支援期間は27年度までの10年間。
 認証取得に必要な費用や、間伐などの森林整備経費の一部は当面、コクヨが負担。グリーン購入法改正などで木材でも生産履歴の重要度が増しており、認証取得で地域材の高付加価値化を支援していく。
 また、森づくりにとどまらず、森を生かしたツアーを継続的に実施したり、木材やそのほかの地域素材を使った商品の開発・販売を模索。コクヨのウェブサイトなどで地域情報の発信も行う。
 同プロジェクトは、コクヨが商品と木との関係が深いことなどから、四万十川流域での森林保全活動を計画。4月に同森林組合や県と、事業推進に関する基本合意書を締結していた。

「環境にも優しい草ブロックの家」      

 阿蘇の草などを集めて作ったブロックを使い、南阿蘇村白水で建設されていた「ストローベイルハウス」が完成した。
 「ストローベイル」はわらを圧縮して作るブロックのこと。南阿蘇のストローベイルハウスでは、阿蘇の草が使われている。「阿蘇の草を生かそう」と活動するNPO法人九州バイオマスフォーラムが、自然環境と共生した持続可能な暮らしを目指すNPO法人パーマカルチャーネットワーク九州の協力を得て、家づくりを進めていた。
 昨年11月に着工、完成までの1年間「建築は素人」という一般の人たち約150人が作業に参加。ブロックを積み上げて家を作り、表面に土を塗って仕上げた。
 協力ボランティアは、ホームページなどで募集し、熊本のほか、長崎、福岡、佐賀、大分など九州各地から集まった。
 完成したストローベイルハウスの中は、とても静かで、外を走る車の音なども全く聞こえない。壁が厚いためで、遮音性に加え断熱性にも優れているのだという。
完成したストローベイルハウスは今後、モデルハウス兼バイオマス資料の展示施設「南阿蘇バイオマスセンター」として活用される予定だ。
「こういう家を作りたいという人が増えれば、身近な資源を生かすことで、遠い国の環境破壊を止めることにもつながる」と関係者は話している。

「安達太良山ペンキ問題」      

 福島県、安達太良山の「表登山口」登山道の立ち木などに過剰にペンキが塗られていた問題で、22日に初めて行われた合同現地調査後の意見交換会では参加者から、樹木にペンキを塗るのはやめるべきだとの意見が大勢を占めた。今回の合同現地調査を受け、今後一定のルールを定めるため、10月中旬に2回目の会議を開く。
 調査に参加したのは、環境省や県、周辺5市町村、森林管理署、地元山岳会、環境保護団体といった行政・民間約20団体。安達太良山頂上や仙女平付近を6時間かけて登山した。環境省は8月、仙女平付近で紅白のペンキが塗られた立ち木56本を発見し、この日の調査で各団体も初めて確認した。
 下山後の意見交換会では、樹木にペンキを塗る行為について、「登山の初心者には道しるべとして歓迎される」との意見が出る一方で、「植物なので塗らない方がいい」「植物に直接塗るのは行き過ぎている」「景観を損ねている」などの意見が多かった。このほか、「軽い気持ちで大勢の初心者が登山する時代に、道しるべとしてのペンキ塗装はどの程度まで許されるのか、許されないのか議論すべきだ」といった問題提起もなされた。
 現状では、郡山市が遭難対策などのため、5月の山開き前に樹木や岩場の石にペンキを塗っているほか、二本松市と猪苗代町も石にペンキを塗っている。郡山市からは「極力、樹木の枝に赤い布を付けているが、残雪があって付けられない時は、石や樹木にペンキを塗っている」などの説明があった。
 一方、ペンキが塗られた樹木への今後の対応については、「伐採するわけにはいかない」「ブラシなどを使って塗装を落とせば、樹皮がはがれてしまう」などの意見も多く、当面はそのままにする方向だ。
 環境省は今後も各団体と連携し、07年5月の山開き前には、ペンキ塗装の一定のルールを定める方針だ。

「環境問題を身近に感じよう」      

 環境問題を広く知ってもらう「環境フェスティバルin松江」が、島根県松江市学園南のくにびきメッセで始まり、家族連れらでにぎわった。
 フェスティバルは、地球の温暖化防止や循環型社会を目指そうと県などが実行委をつくりスタート。毎年、県西部と東部で交互に開いている。
 今回は県や松江市、省エネ製品を扱う企業、環境問題に取り組む市民グループら約45団体がブースを出展。パネルなどで環境保全活動や漂着ごみ、自社の製品などを紹介している。
 子どものために体験型や実験型のブースもあり、県林業課は森林の働きや間伐の大切さを知ってもらおうと、枯れた木の的を竹鉄砲で倒すゲームを開催。市民グループ「まつえ市民環境大学村」は宍道湖のしじみが植物性プランクトンを分解する様子を水槽で紹介した。
 また、この日、県や県内の事業者らでつくる県地球温暖化対策協議会も推進大会を開催。県や事業者、家庭各部会の代表者が
「県や市町村など、削減目標を定めて取り組む」
「評価シートを作り、環境配慮型経営をする」
「省エネ製品を使うなど、一人一人の意識改革が家庭での取り組み」などと宣言した。

「環境被害に関する国際フォーラム」      

 世界は水俣から学んだのか――。8日、熊本市で始まった「環境被害に関する国際フォーラム」には、ブラジルやカナダの水銀中毒被害者やアジアの環境団体、南アフリカの活動家らさまざまな顔ぶれが集まり、初日から活発な議論が飛び交った。
 基調講演では、水俣病からアスベスト被害まで、責任の所在があいまいにされるため被害が繰り返されると指摘。「環境を守る権限は政府にしかない。各国は公害発生源の情報を住民に公開し、地球環境防止協定を構築するべき」などと訴えた。
 中国からは、急速な経済成長で河川や大気汚染が深刻化する中国では「司法が被害補償に重要な役割を担ってきている」という報告があった。江蘇省の石梁貯水池で起きた製紙工場などの排水による漁業被害では、環境団体の支援で集団提訴に踏み切り、多額の賠償を得た。
 ただ、環境訴訟の市民への浸透はこれからで「地元企業に出資している住民がおり、地縁関係で被害住民が訴訟を起こせない」といった問題もあるという。関係者は、「被害の立証を加害企業にさせるというルールは日本から入ってきたが、公害予防の面でさらに日本に協力してほしい」と話していた。
 韓国の環境運動連合の代表者から、かつての水俣と同じ政府のおざなりな対応について説明を受けた参加者からは驚きの声も挙がった。
 南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離)政策時代に環境が破壊された黒人居留区ソウェトの再生に取り組む代表は「若者を中心とした地域再生の取り組みは貧困、失業、公害、環境破壊に対する活動の拠点になった。環境を良くしたいという若い人の活動を日本でも広げたい」と訴え、会場から大きな拍手を受けていた。

「灯籠流しも環境問題で揺れる」      

 夏の風物詩「灯籠流し」。最近、水に溶ける灯籠が回収の手間がかからないことを売りに増えつつある。ところが、環境NPO(非営利組織)などが「川が汚れる」と問題視し、国土交通省や自治体も「回収できず不適当」と主催者側に見直しを求める事態になっている。「目の前で回収されたら味気ない」との思いからも考えられた溶ける灯籠。日本の伝統的な風習が、環境問題で揺れている。
 東京都足立区千住の荒川河川敷・虹の広場で、被爆2世の演歌歌手、山村貴子さんを中心とした実行委員会主催の灯籠流しが行われた。流された約300の灯籠は、約100メートル離れた2隻のボートから次々と回収された。
 この灯籠流しは03年から始まり、水に溶ける灯籠は当初から使用。しかしNPO「荒川クリーンエイド・フォーラム」が、「河川を汚すのではないか」と国交省に申し入れ、同省荒川下流河川事務所は今年、主催者側に回収するよう行政指導した。山村さんは「故郷の広島市で毎年行われる灯籠流しは、灯籠がすぐ下流で回収され、心を痛めていた。回収せずに済む灯籠にしたのに残念です」と話す。
 水溶性の灯籠の使用は全国的には100カ所程度と見られている。東京・隅田川の灯籠流しでは、昨年は水に溶ける灯籠だったが、東京都が「好ましくない」としたため、今年は溶けない材質に切り替えた。

「滅びゆく野生生物展」      

 絶滅の危険にさらされている動植物を紹介する「滅びゆく野生生物展」が高知市の植物園で開かれている。
 ニホンカワウソやヤイロチョウといったなじみの深い絶滅危惧種20点の標本やはく製を展示している、高知県の希少野生動植物保護条例の施行に合わせた記念特別展。
 高知県の条例は、希少動植物の保護や、捕獲禁止を定めており、必要があれば保護区を制定することも出来る。さまざまな動植物が絶滅の恐れがある現状や同条例について理解を深めてもらおうと企画したそうだ。
 ニホンカワウソは79年、須崎市の新荘川で最後に生息が確認されて以降、発見されておらず、絶滅した可能性が高いという。今回は77年に大月町で見つかった体長65センチのはく製を展示。
 県鳥・ヤイロチョウも森林伐採による環境の悪化で絶滅が心配される。ほかにも、徳島県との県境の剣山系に十数頭生息しているツキノワグマや、標高500メートルの山林に住み、体温を低下させて冬眠する天然記念物のヤマネ、幻の魚と呼ばれるアカメなどを見ることができる。
 植物では、約8割が絶滅危惧種に指定されているラン科の標本を展示したり、実際の樹木を使い、森林の様子を再現している。
 同園は「絶滅の危機に直面した動植物が多いことを知ってもらい、環境を考えた生活や行動につなげてもらえれば」と話している。

「削減目標に程遠い各省庁の温室効果ガス対策」      

 政府は、各省庁別の温室効果ガス排出量推計をまとめたが、06年度までに、01年度比7%を削減する目標を大幅に下回る1.2%減にとどまった。内閣官房の711.5%増を筆頭に、多くの省庁が2けた増を記録。今年度末までに、大幅な削減が必要で、目標達成は厳しい状況となった。
 東京・霞が関の省庁とその地方事務所から排出された05年度の温室効果ガスは、約197万トンで、前年度比約7000トン減った。だが、基準となる01年度の排出量約199万トンに対し、目標は185万トンで今年度内に11万5000トンの削減が必要だ。
 内閣官房が急増したのは、03年に打ち上げた情報収集衛星をコントロールする「内閣衛星情報センター」が活動を開始したのが大きな要因。管制用コンピューターの維持管理のための電力使用増で排出量が増えた。
 ほかに金融庁43.5%、公正取引委員会29.3%、内閣法制局23.6%、文部科学省14.7%増など10省庁で2けたの増加となった。温暖化対策の旗振り役の環境省も地方事務所開設などの事情で、7.3%増だった。
 昨年12月に発表した04年度分で83.7%増と、ワースト2の増加率だった警察庁は、基準年の排出量を「警察学校の宿舎分を見落とした」などとして修正したが、13.3%の増加となった。
 目標を達成しているのは会計検査院43.3%減、宮内庁7%減だけ。目標には届かないものの、削減したのは、国土交通省6.5%、経済産業省5.8%など5省庁にとどまった。

「オホーツク海の氷に、温暖化の影響」      

 オホーツク海の2006年の海氷シーズン(2005年12月〜2006年5月)の海氷域面積は、1971年に統計を開始以来最小のレベルで経過したそうだ。
 シーズンを通した海氷の広がり具合を把握する目安となる、前年12月から5月まで積算した海氷域面積は、平年の64%にとどまり過去最小。また、今シーズンの最大海氷域面積も3月10日の90万3000平方キロメートルで、1984年の85万8100平方キロメートルについで2番目に小さい記録となった。
 このように海氷が少なくなった大きな原因は、
 @ シーズン初期のオホーツク海の気温、海面水温が平年より高く経過したため、
    結氷及びその後の海氷域の拡大が遅れた。
 A 2月中旬から3月下旬まで北日本周辺の気温が平年より高く経過したため、
    北海道周辺の海氷の融解、後退が早く始まり、北海道周辺における海氷面積が例年になく小さかった。
 というように、地球温暖化の影響がもろに出ているようだ。

「電気を消して、スローな夜を」      

 愛知県豊田市足助地区で、中心街の民家や商店の明かりを抑え、省エネについて考えるイベント「でんきを消して、スローな夜を」が開かれた。
 地元の人たちが、竹と和紙で組み立てた手作りの照明「たんころりん」約50個を、江戸時代から残る古い町並みに設置。午後7時すぎ、住民ふんする「ちんどん屋」が、イベントの開幕を知らせると、町並みはたんころりんの幻想的な光に照らされた。
 昼から降り続く雨の中、地区内の旧家や区民館では、三味線や相撲甚句、怪談話の語りなどがあり、訪れた観光客らを楽しませた。
 環境省などが夏至に合わせて実施する全国一斉消灯運動「100万人のキャンドルナイト」に賛同したイベント。足助地区の住民たちが連携し、2004年から実施している。

「やんばる訴訟住民側敗訴」      

 沖縄県の林道工事や土地改良事業で本島北部の森が破壊されたとして、自然環境保護団体の会員らが、事業手続きの違法性などを問い、当時の大田昌秀知事に約3億8千万円を県に返還するよう求めた「やんばる訴訟」の上告審で、最高裁は、住民側の上告を退ける決定をした。提訴から9年半、住民側敗訴が確定した。
 問われていたのは、国頭村を縦貫する1999年開通の県営広域基幹林道と、県の補助金で97年度に完成した国頭村の農地開発事業(28.4ヘクタール)。自然保護団体「沖縄・山ばる・海」のメンバーらが訴えていた。
 那覇地裁は2003年6月、希少動物保護の主張を退ける一方で、林道工事の際の保安林指定解除と、農地造成の事業額や規模の変更手続きで県の違法性を認定。大田前知事に約3億2千8百万円の賠償を命じ、住民側が勝訴した。
 しかし、福岡高裁那覇支部は04年10月、手続きの違法性を認めながらも、林道工事について「既に完成し、県に実害はない」と判断、農地造成については「手続きの瑕疵にすぎず、事業全体が違法ではない」として大田前知事側の主張を容認。一審判決を取り消し、住民側の請求を棄却した。
 上告していた住民側弁護団長の弁護士は「手続きの違法性を認めながら、実害がないからいいというのでは、走りだした公共事業は止められないということ。行政事件に踏み込まない最高裁に落胆している」と語った。

「海岸を憩いの場に」      

 国土交通省は、海岸の自然環境を保全、再生し、観光振興や住民の憩いの場として利用できるようにする「里浜づくり」を実践するための手引を作成、同省のホームページで公開した。
 里浜づくりは、防災のため堤防や護岸工事を優先したために自然環境が破壊され、住民を遠ざけたとの批判を受け、親しみやすい海岸を復活させようと、同省が「里山」にちなんで打ち出した考え方。
 手引は、砂の上を歩くと「きゅっ、きゅっ」と音がする鳴き砂で知られる、京都府京丹後市の琴引浜を地域住民が中心になって保全し、自治体も条例を制定して禁煙ビーチにするなど支援したケースなど4つの先進的な事例を掲載している。

「和歌山県で川の環境調査」      

 和歌山県で、大気や水質を調査する県環境衛生研究センターが、川底にすむ生き物の種類や個体数を調べたところ、県内主要11河川すべてが良好な河川環境であることが明らかになった。センターは「全国的にも和歌山の川は環境が良いと思う」と話している。 底生動物での河川の水質評価は、環境省が推奨し、理化学的分析よりも水辺の「きれいさ」を評価できる方法として用いられている。
 調査対象は紀ノ川、有田川、日高川、南部川、左会津川、富田川、日置川、古座川、太田川、那智川、熊野川。それぞれの河川で3〜6カ所を定め、夏と冬に調べた。
 川底の生き物を網ですくって種類や個体数の出現分布を調べたり、ポリタンクで水をくんで有機物などの状況を調査したりした。
 その結果、11河川中、紀ノ川を除く10河川で水質の状態を示す「汚濁指数」が4段階評価で最良の評価(紀ノ川は2番目の評価)。多くの種類の生き物が生息するほど川がきれいだとする「多様性指数」などを含めた総合的な判断では、すべての河川が良好な環境になったという。
 熊野川では、89種の多種多様な生物が確認された。比較的珍しいヨコエビやトクナガヤマトアミカなどが採集された。
 日置川では、ほかの河川でほとんど採集されていないクサツミトビケラやグマガトビケラなどが採集され、高い多様性指数が示された。県内調査地点のうち、中の瀬橋(田辺市平瀬)付近は多様性指数で最高値を記録した。
 富田川では、ジョグリモンカワゲラやクシゲマダラカゲロウなど多数の種類が採集された。汚濁指数をはじめ全般に良好な平均値で「非常にきれいな河川環境が保たれている」と評価している。

「廃村の村に住民戻り生活」      

 徳山ダム建設のため87年に廃村となった岐阜県の旧徳山村(現・揖斐川町)に、集団離村した住民の一部が戻り始めている。ダム完成は間近だが、ダム湖ができても水没しない場所に家を建てる例が目立っている。
 こうした家屋は約30軒にのぼり、住民らは「不便でもふるさとに住み続けたい」と主張。山林の保全のために昨年、周辺の民有地などの買収を決めた岐阜県は困惑している。 旧徳山村の門入(かどにゅう)地区では、ダム工事のダンプカーが行き交う山道に沿って、小さな家が点在する。
 最も近くのスーパーまで車で2時間ほどかかる山奥だ。だが、軒先に洗濯物が干されていたり、車が止まっていたりする家屋がいくつもある。
 廃村の折に集団離村し、同県本巣市に家を建てて転居した87歳の女性は、その後も、春から秋にかけては同地区にある生家で暮らし、畑を耕してきた。
 築100年を超す家は老朽化が進み、数日前から解体工事を始めたが、新しい家を建てて戻るつもりだそうだ。
 彼女は「ご先祖さまから受け継いだ場所。ここが一番居心地がいい」と話している。
 旧徳山村は「ダムに沈む村」として全国に知られた。
 徳山ダム建設で、住民の9割が住む地域が水没することになった。このため87年に廃村となり、水没しない地域の住民も含め、全466世帯は補償費をもらって集団離村した。

「ペットボトルの再生産」      

 ペットボトルなどを高温の水を使って原材料まで効率よく分解することに、茨城県つくば市の独立行政法人・産業技術総合研究所が成功した。原材料まで戻す完全リサイクルで、繰り返しペットボトルを再生産できる。さらにごみ処理場排熱で加熱できるため資源の有効利用につながる。
 従来、分解には毒性の強いメタノールを用いていたが、水を使えば有害な廃液も出ず、環境にもやさしい。同研究所は2〜3年後の実用化を目指す。
 研究グループはステンレス製の密封反応器内で、ぺットボトル片などのポリエステル系樹脂と水を一緒に加熱。300度の高温で原材料のテレフタル酸とエチレングリコールに分解することに成功した。さらにテレフタル酸を、加熱前に水に加えておくと、もっと低い約275度でも分解できることを突き止めた。
 ごみ処理場に年間数百トンを処理できる分解用の装置を併設し、一定の地域内でリサイクルシステムが実現すれば、ペットボトル原料を石油から新しく生産するより、2〜3割安い費用で作ることが可能という。
 メーカーなどで作るPETボトルリサイクル推進協議会によると、ペットボトルの国内生産量は年間約51万トンで、推定約75%がリサイクルされている。
 現在の主流は、洗浄・粉砕して、そのまま繊維やシートに加工し、衣類の素材などに利用する方法。メタノールを使い原料まで分解する方法は帝人ファイバーなどが02年度に始めたが、全体の数%に過ぎない。採算を取るには年間数万トン規模で処理しなければならず、大量のペットボトルを周辺から集めてくるなど課題があった。
 同研究所コンパクト化学プロセス研究センターの触媒反応チームは「ポリエステルを300度以下の高温の水でほぼ100%分解できることが分かったことは大きな成果。既存の回収システムと組み合わせれば、資源循環型の社会に貢献できる」と話している。

「豆腐・納豆に原料大豆の原産地表示」      

 農林水産省は、豆腐と納豆について、原料となる大豆の原産地を表示するよう、メーカーに求めることを決めた。原産地を知りたい消費者の要望に応じたもので、農水省は同日、表示案を提示した。ただ、業界の大半は中小・零細企業で、負担増になる表示の義務化には及び腰。このため同省は、表示を業界の自主的な取り組みに委ね、義務化は2年後をめどに再検討する方針だ。
 加工食品の原料の原産地表示は、今年10月から乾燥シイタケやゆでダコなど生鮮食品に近い20品目が義務化されるが、豆腐と納豆は対象外。現在も業者が自主的に「国産大豆100%使用」などの表示をしているだけで、国産より割安な輸入大豆を原料としている豆腐、納豆は原産地を明記していない例が多い。
 農水省が提示した表示案は、納豆ともめん、絹ごし、充填(じゅうてん)の各豆腐が対象。国産大豆が原料の場合は「国産」か具体的な地名を、輸入大豆は原産国をそれぞれ表示する。複数の原産国の大豆が使われる場合は、使用割合の多い順に2カ国以上を明記するよう求める。
 同省は表示法について今月末から意見募集を始め、6月中には詳細を決める。その後、業界団体などを通じて各メーカーに表示を促すが、「食の安全に敏感な消費者は原産地が明記された食品を選ぶ傾向があり、義務化しなくても多くのメーカーは原産地を表示するようになるのでは」と予測している。

「登山客用のバイオトイレ」      

 福岡県筑豊地方と北九州市の境にある福智山(901メートル)の山頂近くに、登山客用のトイレがヘリコプターで空輸された。微生物の発酵分解を利用した「バイオトイレ」の本体で、重さは180キロ。秋にかけて「筑豊山の会」の会員たちが資材を運び上げて建物を造り、完成させる。
 福智山には年間10万人余の登山客が訪れ、トイレ設置が長年の懸案だった。処理槽にある木製チップの微生物が、し尿を分解するため、環境にも優しいとされる。北九州市の防災ヘリが北九州空港から運んだ。
 約500万円の費用は、寄付と建物側面の広告料などでまかなう。募金はいまのところ約280万円集まっており、引き続き受け付けている。

「名護市沖の自然」      

 防衛庁と名護市が合意した米軍普天間飛行場移設のキャンプ・シュワブ新沿岸案について、守屋武昌防衛事務次官は、滑走路の長さについて「最大1800メートル」と述べるとともに、名護市や宜野座村集落の飛行ルート回避で米側と調整する考えを強調。新沿岸案を拒否している稲嶺恵一知事にも、理解と協力を得ることが必要、としている。
 ジュゴンの餌となる藻場への影響について「米側と合意した案より影響は増えるが、名護市が主張した案より影響ははるかに小さい」と述べた。
 飛行ルート設定については、シュワブ沿岸部は「北風の地域」という前提に立ち、「陸側に近い滑走路を使って着陸し、海側の滑走路を使って離陸する」ことで固定翼機の飛行ルートを住宅地上空から回避すると説明した。
 代替施設の工期については「8年」とし、埋め立て工事の着手時期は「工期後半の5、6年目」と説明。公有水面使用の知事権限とのかかわりで「埋め立て工事着手までに生活や自然環境の保全で住民の理解を得ることで争点とならないよう対応する」と述べ、知事権限を国に移す特措法の制定には否定的な見解を示した。

「長良川河口堰訴訟」      

 三重県の長良川河口堰建設について、負担金を県が一般会計から支出するのは違法だとして、同県桑名市議ら住民6人が知事らを相手に約190億円の支出の差し止めなどを求めた訴訟で、最高裁第二小法廷は、住民側の上告を棄却する決定をした。
 決定は「民事訴訟法の上告理由に当たらない」として、住民側の敗訴が確定した。
 県が工業用水事業に活用する名目で支出を決めたのに対し、住民側は「工業用水の需要はなく、支出は違法」と主張。
 県側は「企業誘致などで需要は増える」と反論した。03年10月の津地裁判決、昨年4月の名古屋高裁判決は「工業用水の事業化の可能性がないとはいえない」と判断し、住民側の主張を退けていた。

「佐賀県でプルサーマル計画を事前了解」      

 九州電力玄海原子力発電所3号機のプルサーマル計画について、地元の佐賀県知事と玄海町長は26日、「計画を事前了解する」との回答書をそれぞれ九州電力に手渡した。これで、計画導入に必要な手続きがすべて終わった。九電は2010年度までの実施を目指しており、全国初となる可能性が高い。
 この日、二階経済産業相が玄海原発を視察。玄海町役場で知事らと会談し、計画の安全確保と地域振興に取り組むことを約束した。これを受けて町長・知事が九電社長を招いて回答書を手渡した。
 了解を受け、九電はヨーロッパの核燃料製造会社に、計画で使用するウラン・プルトニウムの混合燃料(MOX燃料)を発注する。燃料は船で玄海原発まで運ばれ、原発内の使用済み燃料保管プールに貯蔵後、3号機で燃やされる。
 発注から納入までに4〜5年かかるケースが多く、実施目標の10年度に間に合うかは微妙だ。
 九電は04年5月、国に計画の許可を申請し、県と町に安全協定に基づく事前了解願を提出。国は05年9月、安全審査を経て実施を許可した。
 これまでに福井、福島、新潟の3県で国の実施許可が出たが、いずれも事故や不祥事で地元了解が白紙や凍結になっている。

「CO2排出量、電力会社別に公表」      

 環境省は、各電力事業者が発電時に排出する二酸化炭素(CO2)量を公表する制度を4月から始める。
 同月から大規模工場などのCO2排出量の公開が義務付けられるのに伴い、電力量当たりの排出量(係数)をどう扱うか、同省と公正取引委員会が対立していた。
 同省が原則として実際の排出量に基づく係数を使う制度を示したことで、公取委は「基本的に異論はない」としている。
 原子力や水力は発電時にCO2を排出しない一方、火力はとくに石炭の場合に多くのCO2を排出するなど設備により係数は大きく違う。工場などでの排出量をきちんと算出するには、そこで使っている電力の係数をあらかじめ把握することが必要だ。
 同省は係数について暫定的に一律の基準値を設定したが、この基準よりもCO2排出が少ない場合は実態に即した係数を公表する。公表対象は、全電力量の約9割にのぼり、ガラス張りになる見込みである。
 同省は当初、東京電力など大手と新規参入業者とで二重の基準を設けていたが、公取委が「公平な競争が阻害される」として見直しを求めていた。

「低価格アクセサリーに高濃度の鉛」      

 スーパーや100円ショップで販売されている低価格の金属製アクセサリーの一部に、幼児が口に入れると、脳神経に影響を与えるほどの高濃度の鉛が含まれていることが東京都の調査で分かり、都は国に対し、法規制や警告表示の義務づけを申し入れた。
 調査は、米国で2月、基準値が定められたことを受けて実施された。スーパーや100円ショップ、玩具店などで売られている1000円程度までのネックレス、ブローチ、携帯ストラップなど76点を調べた。

 その結果、含有量は米国の基準値(0.06%)を上回ったのが46点と全体の6割、50%超も32点と4割を占めた。21点について胃の中でどの程度鉛が溶け出すかも調査したところ、14点で米国の基準を超えた。
 米国では、鉛を含有するアクセサリーを幼児が誤ってのみ込んで、言語発達や認知障害に陥る事故などが起きている。今回の調査で、最も溶解量の高かったブローチは、米国基準の58倍に達したという。
 鉛含有について、国内では食品や食器などには規制はあるが、アクセサリー類にはない。都はこの日、業界団体に対しても自主規制を要請した。

「鳥インフルエンザで逮捕者」      

 茨城県警生活環境課などは、鳥インフルエンザのウイルス感染を知りながら県への届け出を怠ったなどとして、県内の養鶏場の獣医師ら4人を家畜伝染病予防法違反(届け出義務、検査妨害)の疑いで逮捕した。同養鶏場の茨城支店やつくば市の独立行政法人動物衛生研究所など7カ所も家宅捜索した。
 調べでは、二人の容疑者は動衛研の女性獣医師に鶏の検査を依頼。昨年8月22日、抗体陽性反応が出たのに県に届けなかった疑い。同容疑者は「自ら望んでやったわけではない」と供述しているという。
 また、4容疑者は昨年8月に同社の木部農場(茨城町)と水戸農場(水戸市)に県の立ち入り検査が入った際、別の養鶏場の鶏から採取した血液などを検査を受けた鶏のものと偽って県に提出した疑い。
 県警は昨年11月に県から検査妨害の告発を受け、愛鶏園の捜査を続けていた。また、検査結果などが記録された動衛研の業務用パソコンのデータが消去されており、県警は動衛研の女性獣医師も届け出義務違反を認識していた可能性があるとして任意で事情を聴いている。

「外来魚退治の一石二鳥」      

 霞ケ浦を浄化しようと、NPO法人などが湖内の外来魚を捕獲して肥料や飼料にし、有機農法に使っている。
 湖内の生物を「リサイクル」することで、水質悪化の原因となる窒素やリンを減らす狙いがあるとかで、農産物には「湖が喜ぶきゅうり」「湖が喜ぶたまご」などの名前もついている。
 関係者は「全国でも珍しい試み。品物が売れれば売れるほど、霞ケ浦がきれいになる」と期待している。
 霞ケ浦では、在来魚を食い荒らす外来魚が急増して漁業に深刻な被害を与えているほか、窒素やリンを含む生活排水や化学肥料を含んだ農業排水の流入で、水質汚濁の指標となるCOD(化学的酸素要求量)が環境基準の2倍を超える状態が20年以上続いている。
 同法人によると、外来魚の捕獲により、湖で死んだ場合に放置される窒素とリンを取り除くことができる。肥料化して化学肥料の使用量を減らせば、湖内の窒素とリンの量はさらに減るという。
 地元漁協が捕獲した外来魚を同法人などが買い上げ、鉾田市などの工場で肥料や飼料に加工し、契約した農家で有機野菜や卵の生産に使ってもらう。キュウリや卵は生協を通じて出荷されているほか、キュウリは川崎市のスーパーでも販売されている。
 05年度はハクレン、アメリカナマズなど76トンを捕獲し、37トンの肥料に加工、キュウリ100トン、卵8トンを生産する見込みだ。
 同法人の代表理事は「外来魚の駆除で生態系も守れる。水質保持と合わせ一石二鳥の方法。将来は外来魚捕獲、肥料製造とも10倍に拡大したい」と話している。

「ケニアのマータイさんが来日」      

 地球環境保全を目的としたMOTTAINAI(もったいない)キャンペーンの名誉会長で、ノーベル平和賞受賞者、ワンガリ・マータイさん(ケニア副環境相)が来日した。
 マータイさんは昨年2月の来日の際、日本語の「もったいない」という言葉に共感。「素晴らしい価値観であり、世界に広めたい」と語り、キャンペーンを進めている。
 今回は、東京をはじめ福島、千葉、神奈川、福岡、大阪、静岡など全国各地を訪れ、シンポジウムや小学校での特別授業などを予定している。
 マータイさんは、来日前の10日夜(日本時間11日未明)に行われた冬季五輪トリノ大会の開会式で、五輪旗を持って入場した。

「渡り鳥の名所に閑古鳥」      

 豪雪に見舞われた秋田県で、渡り鳥の観測数が激減している。県の生息調査では、ここ5年間の平均の6〜7割程度。飛来地が全面結氷していたり雪が深かったりして、ゆっくり羽を休めることもできず、エサを求めて南下したのが原因らしい。有名な瓢湖(ひょうこ)(新潟県)も同様の状況だ。
 秋田県は1月中旬、ハクチョウ類とガン類、カモ類を対象に、県内の川や湖沼、水田など309カ所の飛来地を調べた。
 その結果、カモ類は昨年より1万838羽も減って1万6992羽、ハクチョウ類は228羽少ない2767羽だった。昨年532羽だったガン類は、ヒシクイが1羽確認されただけ。
 秋田地方気象台の観測では、例年、比較的雪の少ない沿岸部でも、4日朝現在40〜70センチの積雪がある。県は「雪でエサ取りが難しい。渡り鳥は秋田より南の雪のない地域に移ってしまった」と見ている。
 今冬、大雪が深刻な新潟県の瓢湖(阿賀野市)や福島潟(新潟市)などの飛来地でも、昨冬より減っている。県環境企画課によると、1月の調査でガン類は前年並みだったが、カモ類は昨冬の9割程度、ハクチョウは6〜7割にとどまっているという。
 一方、千葉県本埜(もとの)村では、村内の田んぼに92年からハクチョウが飛来するようになった。村によると、数は毎年少しずつ増え、昨冬は880羽が飛来。今冬は2月3日現在、過去最高の1300羽が飛来している。ガンカモ類の数も、ここ2、3年で増えてきたという。
 県自然保護課鳥獣管理対策室では「今年の冬は普段ハクチョウが来ない所にも来ている」と話した。
 また、滋賀県の琵琶湖水鳥・湿地センターによると、琵琶湖でも1月上旬に、平年より3〜5割多い渡り鳥を確認。オオヒシクイは664羽、カモ類は7万羽以上観測したとそうで、新潟や北陸の越冬地から琵琶湖に移ってきたと見ている。

「環境配慮型の電力供給」      

 電力を供給する際の二酸化炭素(CO2)の排出量などに基準を設け、達成できない業者は参加できない入札を、政府が来月実施する。昨年4月に閣議決定した京都議定書の目標達成計画に沿った、国としては初めての「環境配慮型」の電力供給入札。今回の対象は、環境省などが入る東京・霞が関の中央合同庁舎第5号館と特許庁庁舎だが、政府は今後、環境配慮型の電力入札を関係施設に広げていく。
 5号館の入札基準は環境省がつくり、特許庁庁舎は資源エネルギー庁がつくった。環境省の基準は100点満点で、庁舎で使う1キロワット時の電力を供給する際のCO2排出量が0.375キロ未満であれば70点、0.5キロ以上0.525キロ未満なら40点などとした。
 入札参加には70点以上が必要になる。CO2排出量で最高点を取れればクリアできるが、排出量が0.525キロ以上だと、太陽光発電など新エネルギーの利用の項目などで高得点をとっても70点以上にならないように設定するなど、議定書の目標達成に向けてCO2削減をより重視した形だ。エネ庁は「地方の大手電力会社の中にも達成できないところが出てくる可能性がある」とみる。
 一方、エネ庁も「70点以上」が基準だが、CO2排出量に関する項目では、環境省の設定した下限の0.525キロ以上であっても、0.75キロ未満であれば、新エネルギーの導入状況など他項目で高得点を取れば70点を達成できる。このため環境省は「CO2削減という観点からは甘い」と指摘する。
 環境省によると、政府の事務や事業に伴って04年度に排出されたCO2などの温室効果ガスの総量は約202万トンで、01年度より4.6%増えた。電気の使用に伴うCO2の排出量が6.3%増えたことが、全体の排出量増につながったという。
 京都議定書の発効を受けて政府が昨春掲げた目標達成計画では「庁舎の使用電力購入に際して、省CO2化の要素を考慮した購入方式を導入する」と規定している。
 環境省地球温暖化対策課は「価格の安い電力は、石炭による火力発電などCO2を多く排出する発電方法につながりやすい。多少価格が高くてもCO2を削減できる電力を導入したい」と話している。

「アスベスト問題解決へ講演と討論」      

  アスベスト問題を考えるシンポジウム「もう一歩ふみこんで、知り、学び、考える」が、左京区の京都大で開かれた。健康被害対策や建物解体時の安全、廃棄物処理など課題も多いなか、基礎知識を深めようと京大環境安全保健機構などが主催。学生、教職員や市民ら約350人が参加した。
 冒頭、尾池和夫学長があいさつし「京大でも体育館などでアスベスト使用が判明し、対策を実施する。研究者や市民が知識を共有し、問題解決へ向けて考えよう」と呼びかけた。続いて鉱物、環境、医学、廃棄物に詳しい京大研究者4人が講演と討論を行い、多面的に問題を取り上げた。
 このうち環境衛生学が専門の内山巌雄・工学研究科教授は、行政などはアスベストを生産工場など労働環境の問題としてとらえ、工場周辺住民や建物利用者など一般被害への取り組みが遅れたことなどを指摘。「アスベストは60年代以降に大量に使われ、これから建物解体の問題などが生じる。また、アスベストによる悪性腫瘍(しゅよう)の潜伏期間は数十年と長い」として、被害補償制度や環境基準の整備といった取り組みの継続が必要だと強調した。
 一方、酒井伸一・環境保全センター教授は、廃棄物の観点から問題を提起。阪神大震災時のマンション解体現場で、極めて高濃度のアスベストが測定された事実を紹介し、建物解体時に作業者や周辺住民に与える危険性を指摘。解体や改修で生じるアスベストを含む廃棄物について「埋め立て処分では変わらず存在し続け、将来の再飛散もありうる。高熱で溶かして固める溶融固化などで、最終的分解を進める必要がある」と述べた。

「環境の激変が招く異常現象?」      

 数年に1度しか咲かないといわれる世界最大のラン「グラマトフィルム・スペキオスム」が、つくば市の国立科学博物館筑波実験植物園(茨城県つくば市)で開花した。
 3メートルを超える花茎が5本伸び、約400の黄色い花をつけた。
 何が条件で、何時咲くのかわからない気まぐれな植物だということだ。
 沖縄では、例年より10日ほど早く桜が咲いたらしい。こちらの方はそれほど驚くニュースでもないだろうが、何かにつけて異常気象や地球環境の激変が原因ではないかと話題になる。
 それだけ、地球環境の問題が深刻で待ったなしの状態になってきている証拠だと言える。

「鳥インフルエンザ、トルコで感染拡大」      

 世界保健機関(WHO)は9日までに、トルコ東部で死亡した子供2人がH5N1型の鳥インフルエンザに感染していたと確認した。トルコ政府は農家に鶏の処分を求め、封じ込めに懸命だが、首都アンカラでも新たに3人の感染が報告された。感染の西への拡大を受け、ロシアや欧州諸国は渡航に関して注意を呼びかけるなど、警戒を強めている。
 今月初めから10代の姉弟が相次いで死亡したイラン国境に近い東部ワン地方の町ドウバヤジットでは、11歳の妹も同じような病状で亡くなっており、WHOがウイルスの確認を急いでいる。中国や東南アジア以外での死者が確認されたのはトルコが初めて。
 アナトリア通信によると、トルコ当局者は首都アンカラで入院中の子供2人を含む3人が鳥インフルエンザ検査で陽性反応を示した、と明らかにした。H5N1型かどうかは不明。2人の子供はアンカラの北西約100キロの町ベイパザル出身という。
 トルコ当局の調べでは、死んだ子供を含め、計14人が感染。北部の黒海沿いの地域でも、死んだ鶏から鳥インフルエンザが確認されている。トルコ最大の都市イスタンブールに近づきつつあり、今後は欧州大陸に拡大する恐れもあることから、欧州諸国の保健当局やWHOが懸念を示し、トルコ東部に専門家を派遣して入院患者や死んだ鶏を観察している。
 エルドアン首相は「政府は拡大防止に必要なあらゆる手段を取る」と表明したが、死者の出た東部地域を中心に貧しい地域では自宅裏で鶏を飼って収入の支えとしているケースが多く、自主的な処分は進まない。保健当局者は「損害は補償される。鶏を隠さないで」と呼びかけている。

「スギ花粉」      

 神奈川県自然環境保全センターは、来春のスギ花粉の飛散は「少ない」と公表した。
 同センターはスギ花粉症対策に役立てるため、98年から県内のスギ林30カ所でそれぞれ40本のスギの雄花の着花状況を調べている。
 スギは毎年7月ごろに雄花が形成を始めて、10月ごろにつぼみをつけるため、その状況を調査することで翌春の花粉の飛散量が推定される。
 今回は着花が各地域とも前年を大幅に下回り、調査を始めてから3番目に少なかった。これまで2番目に多かった前年に比べ大幅な減少で、過去9年間の平均も下回った。
 今夏は比較的暑く、降水量も少ないなど着花が多くなる気象条件だったが、花粉飛散の多かった年の翌年は、着花が少なくなるというスギの生理的な面が影響しているという。
 また、飛散の地域差はあまり大きくはないが、県北部で少なく、西部でやや多くなる傾向がみられるという。

「中国で相次ぐ河川汚染」      

 中国吉林省の石油化学工場の爆発事故で松花江汚染が国際問題化したばかりだが、国内ではほかにも事故に伴う河川汚染が相次いでいる。
 華僑向け通信社「中国新聞」(電子版)によると、湖南省冷水江市(人口約35万人)では24日、化学工場の廃液貯水池が決壊し、大量の窒素化合物が河川に流入。25日正午までの12時間、全域で給水を停止した。
 工場では毎年1回の設備補修の際、汚染物質をまとめて河川に放出していたが、当局は最長2時間程度の給水停止しかしていなかったことも明らかになった。
 一方、新華社電によると、24日に4人が死傷する化学工場爆発事故が起きた重慶市では、ベンゼンなどの有害物質が河川に流入。当局は付近の学校を休校にしたほか、活性炭やスポンジなどを使って汚染物質の除去を続けている。
 中国共産党は先に採択した「第11次5か年計画」(2006〜10年)案で、国民に重大な健康被害をもたらす環境問題への対応強化を国策に掲げたばかりだった。

「レジ袋有料化に賛成55%」      

 内閣府は19日、環境問題に関する世論調査を公表した。ごみ減量のため、スーパーやコンビニエンスストアなどで無料で配られるレジ袋の有料化に「賛成」と答えた人が55.1%で、「反対」の21.9%を上回った。ただ、払ってもよい費用は「5円以下」が約6割を占めた。
 調査は9月に全国の20歳以上の男女3000人を対象に実施、1896人から回答を得た。
 「反対」と答えた人も含め、仮に有料化された場合に払ってもいい費用を聞いたところ「1〜2円」が31.7%、「3〜5円」が29.5%で「5円以下」の合計は61.2%に上った。一方で「6円以上」になると「6〜10円」(12.6%)、「11円以上」(1.6%)で合計は14.2%にとどまった。
 レジ袋有料化に賛成の理由(複数回答)は、「資源消費を抑制できる」(67%)が最も多く、続いて「もらったレジ袋が無駄」(36.4%)、「マイバッグを持参している」(36%)の順。反対理由は、「レジ袋は家庭で再使用している」(73.6%)、「レジ袋の無料配布はサービスの一環であるべきだ」(28.1%)、「マイバッグ持参は手間がかかる」(22.1%)――だった。

「家庭ごみから水素ガス」      

 全国の全市と東京23区(計776市区)の44%(341市)が、一般家庭ごみ(粗大ごみなどを除く)の収集・処理費用の一部を税金とは別に徴収する有料化を実施済みか、決定済みであることが毎日新聞の調査で分かった。検討中か検討予定も13.4%(104市)あり、有料化は今後も広がる見通しだ。家庭ごみ処理は自治体の業務だが、環境省は今年5月、ごみ減量に有効だとして「有料化」を廃棄物処理法の基本方針に盛り込み、取り組みを促していた。
 一方で、家庭から排出される生ごみから水素ガスを生成し、燃料電池による発電に利用する実証研究が、京都市で始まる。同市によると、バイオマス(生物資源)を発電などに利用する事業は盛んに研究されているが、家庭ごみから水素ガスをつくる取り組みは全国で初めて。2013年の発電開始を目指している。
 同市と京都大、環境省などの共同研究。計画では、1日3トンの家庭ごみを旧西部クリーンセンター(西京区)に搬送。特殊な機械でごみ袋を破り、プラスチックなどと水素の「原料」となる生ごみを分別する。
 生ごみはさらにバイオガス化技術実証研究プラント(伏見区)で発酵させ、メタンガスを主成分とするバイオガスを生成。これを水素ガスに変換する。

「白神山地の見学ツアー」      

 環境省東北地方環境事務所は11月12、13日、藤里町の岳岱自然観察教育林や青森県深浦町の十二湖などで行う「白神山地・晩秋のブナを見る集い」の参加者を募集している。
 当日は午前8時半までに藤里町の白神山地世界遺産センター(藤里館)前に集合。初日は遺産地域の二ツ森、十二湖のブナ林を見学。2日目は田苗代湿原、岳岱自然観察教育林、大良峡の自然に理解を深める。日本自然保護協会の鎌田孝一・自然観察指導員、市川善吉・県自然保護指導員らがガイドを担当する。
 定員20人。参加料2000円(バス代、傷害保険料含む)。雨具、昼食、メモ帳を持参すること。
 参加希望者は往復はがきに住所、氏名、年齢、電話番号を書き、11月9日(必着)まで申し込む。申し込み多数の場合は抽選となる。
 問い合わせと申し込みは、
〒018―3201 藤里町藤琴里栗63、同センター (電話0185・79・3001、ファクス79・3005) へ。

「国の基準を上回るダイオキシン」      

 富士市天間地区の第2東名自動車道の建設予定地で、国の環境基準を最大で43倍上回るダイオキシンが検出されたことがわかった。これまでに周辺住民からの健康被害は寄せられておらず、中日本高速道路では今後、ダイオキシンが発見された原因の特定とともに、新たな被害の発生防止に努める。
 富士市役所で会見した中日本高速道路富士工事事務所によると、今年6月8日、同地区で掘削工事をしていた作業員が地下2〜3メートルの地点で、刺激臭を伴う青みがかった色の土を発見。報告を受けて7月に敷地約5300平方メートルの土壌検査と井戸水の水質調査をした結果、9月末に対象44検体のうち1検体に4万3000ピコグラムのダイオキシンが検出されたことが判明した。
 同地区は02年3月にインク製造会社「東洋インキ製造」から買収し、同年7月から建設工事を開始。東洋インキは74〜76年の間、同地をインクなど有機顔料の製造過程で出た排水などの埋設地として使用していた。

「国立公園などでペット規制」      

 環境省は、国立公園や国定公園の特別保護地区内で、動物を放したり逃がしたりすること、植物を植えたり種をまくことを禁止する方針を決めた。犬や猫などのペットは持ち込めるが、綱などから外して放すことは禁止行為となる。自然公園法に基づく政令を改正し、来年1月1日から施行するというもので、違反者には6月以下の懲役か50万円以下の罰金が科される。
 特別保護地区内では動植物や土壌、岩石などの採取が一切、禁止されているが、生物を国内の他地域から持ち込んで植えたり、逃がしたりする行為に規制はなかった。このため北海道の羊蹄山(支笏湖洞爺国立公園)では、本来は自生していない高山植物のコマクサが道内の大雪山(大雪山国立公園)から持ち込まれ、植えられるなどのケースが起きている。
 同省国立公園課は「優れた自然環境や景観を守るために、理解と協力をお願いしたい」と話している。

「環境税導入調査」      

 内閣府は、地球温暖化対策に関する世論調査の結果を公表した。温室効果ガスを削減するため、化石燃料に含まれる炭素量に応じてガソリンや電気などに課税する「環境税」の導入に対する意識を聞いたところ、「反対」と答えた人が32.4%で、「賛成」の24.8%を上回った。地球温暖化防止など環境保護の必要性は感じながらも、負担増につながる政策には抵抗感があることが浮かび上がった。
 調査は7月に全国の20歳以上の男女3000人を対象に実施、1626人から回答を得た。
 環境税導入に反対の理由(複数回答可)は「家計の負担が重くなる」が57.5%で最も高く、続いて▽「税収が政府によって無駄に使われるかもしれない」43.3%▽「必要性・意義がわからない」27.3%――の順だった。
 環境税は環境省を中心に政府内で導入が検討されているが、コスト増が国民生活や企業活動の負担を招くなどとして経済産業省などが反発しており、導入の見通しは立っていない。今回の調査結果が慎重論をさらに強めることも想定される。
 一方、「夏の軽装化運動」(クールビズ)について「知っている」と答えた人は76.6%に上り、官民挙げた取り組みが広く浸透していることを裏づけた。ただ、実際に「取り組んでいる」と答えたのは30.9%にとどまった。

「絶滅危惧種に里親」      

 国の絶滅危惧種に指定されている淡水魚シナイモツゴが、JR古川駅2階コンコースで飼育、展示されている。保護・繁殖に取り組む宮城県鹿島台町のNPO法人「シナイモツゴ郷(さと)の会」が募った「稚魚の里親」に、同駅が名乗りを上げて実現した。乗客らが興味深げに水槽をのぞいている。
 展示されているシナイモツゴは、「卵の里親」になった鹿島台小の4年生18人が、6月から学校の池で人工繁殖した。体長3〜5センチ。子どもたちから預かった稚魚を会のメンバーが駅まで慎重に運び、1日約8000人の乗降客が通るコンコースの水槽に移した。
 魚と一緒に子どもたちが書いた作文も駅に渡した。「大事に育ててください」「いろんな人に見てほしい」といった内容で、受け取った斎藤厳営業総括助役は「大切に育てる。多くの人にシナイモツゴのことを知ってもらい、保護の輪を広げたい」と話していた。
 1916(大正5)年に鹿島台町の品井沼で発見されたシナイモツゴは、ブラックバスによる食害などで激減した。郷の会は、人工繁殖した卵や稚魚を公募の里親に飼育してもらう試みを今春から始め、個体数の増加と成育域拡大に努めている。

「プラスチック製品の燃料再利用化」      

 経済産業省は、ラップフィルムやスナック菓子の包装袋など、商品として再利用しにくいプラスチック製品を固形燃料として再利用することを認める方針を明らかにした。
 製紙工場やセメント工場での燃料として利用することで、プラスチック製品の再資源化を進める。
 同省は、20日に開く産業構造審議会(経産相の諮問機関)に方針を示し、環境省とともに来年の通常国会に提出する容器包装リサイクル法(容リ法)の改正案に盛り込む。
 現在の容リ法では、ペットボトルや瓶などの容器、包装製品を建材などに再商品化することが義務付けられている。しかし、紙以外は固形燃料とすることが認められていないため、油分が付着しているラップや、アルミが付いたスナック菓子の袋など再商品化できない場合は、リサイクル工場で廃棄されることが多かった。
 弁当などのプラスチック容器のリサイクルは00年度から始まり、03年度は約8万4000トンがリサイクルに回された。4品目合計の再商品化コストのうち、7割以上をプラスチックが占めている。
 回収されたプラスチック容器の約51%は建築資材や植木鉢など日用雑貨にも再利用されているが、残りは廃棄処分されている。さらに、プラスチックを分別収集する自治体は04年度の1757(全自治体の57・5%)から10年度には1988(同82・5%)に拡大する見込みで(環境省調べ)、処理工場の能力を上回りプラスチック製品のリサイクル処理が間に合わなくなる見通しだ。
 このため経産省は、回収したプラスチックを一律に原材料として再商品化する現行制度を今後も継続するのは困難と判断。高カロリーの固形燃料に加工して燃料効率を高めた上で、利用する手法を認めることにした。固形燃料への加工は1トン当たり4万〜5万円程度で、プラスチックとして再利用する場合にかかる同10万円のコストに比べて安くなるという。
 ただ、最終的には焼却処理となるだけに「リサイクルの後退」という批判が出ることも予想され、経産省は燃料化を認める条件などを厳しくする考えだ。

「未だ続くオゾン層の破壊」      

 気象庁は9日、今年の南極上空のオゾンホールが、過去最大規模で発達中であると発表した。6日時点の面積は2673万平方キロメートルで、昨年ピーク時の2423万平方キロメートルを上回っている。
 今月中旬〜10月上旬のピーク時には、過去最大だった00年、03年と同程度になる恐れがあるという。
 人工衛星観測データの分析によると、オゾンホールは8月中旬から急速に拡大。昭和基地で観測した上空のオゾンの量も8月下旬以降、過去最低水準となっている。
 同庁オゾン層情報センターは「成層圏にあるオゾン層破壊物質の量はピークかそれに近く、一層の対策が必要だ」と説明している。
 オゾン層の破壊が世界的な深刻な問題として取り上げられて久しい。フロンの変換も進み、京都議定書の批准国も増え、二酸化炭素排出規制プログラムも、各国で着々と進められている。
 少しはましになっているのかと思っていたのだが。
 劣化した自然環境を元に戻すことの困難さ、たかだか100年ほどで破壊しまくった自然を回復させるには、気の遠くなるような時間と努力が必要であることをあらためて認識しておきたい。

「有料レジ袋を進めるために」      

 環境省がごみ削減のために打ち出した「レジ袋有料化」の方針に、東北の生協やスーパー業界は複雑な反応を見せている。基本的には賛同しながらも、各スーパーは「抜け駆け業者」が出て自店の売り上げが落ちるのではないか、とのジレンマを抱える。小売店の競争が激しさを増す中で、環境問題にどう取り組むのか、業界の対応が問われている。
 みやぎ生協(仙台市)は、買い物の際にレジ袋を断るとポイントがたまり、一定の点数になれば割引券を発行する制度を導入。月1回、ポイント2倍の日も設けている。
 2004年度はレジ袋辞退率が買い物客の31.5%に高まった。が、同生協の率は例外的な数字。日本チェーンストア協会加盟店の辞退率は13%で頭打ち状態。ポイント制を導入する仙台市の中堅スーパーも、辞退率は7%前後にとどまる。
 「レジ袋削減には有料化は避けられない」との認識は業界でも一致しており、チェーンストア協会も有料化に賛成を表明する。ただ、そこには「関係者がまとまって取り組めるよう法制化が必要」との条件が付く。
 環境省と経済産業省は、07年度にもレジ袋有料化の制度を導入する方針だが、全店へ義務づけるなどの法制化は、憲法の「営業の自由」を侵害する恐れがあり、困難との見方が多い。
 東北のあるスーパーは「有料化を事業者の自主規制に任せれば、必ず『抜け駆け』する店が出て客を奪われる。袋の価格設定でも競争が生まれ、大変だ」と指摘。法制化がないままの有料化導入には、ためらいを見せる。
 一方、コンビニエンスストア業界は有料化そのものに反対。「飛び込みの客が多く、自分の袋を持っていない」「レジ袋自体が商品の一部だ」などとしている。
 課題と思惑が絡み、有料化の前途は平たんとはいえない。が、東北には成功例もある。
 仙台市で6店舗を展開するスーパー「つかさ屋」は1978年の創業から27年間、レジ袋を有料にしている。現在は一枚5円。客の7割が自分の袋やバスケットを持参している。
 同社社長は「袋代の無駄な経費をかけず、その分商品を安くすれば、有料化しても客が流出することはない」と断言。新規出店の場合、2、3カ月は苦情もあるが、きちんと説明すれば納得してもらえるという。
 レジ袋削減に取り組む仙台市の泉区生活学校連絡協議会は昨年、主婦層を中心とする285人に意識調査を実施した。「有料化に反対」と答えたのは8%にとどまり、「有料化の場合、適当な価格は」との質問では「3円」と「5円」を足すと79%に達した。
 協議会は「若者ら環境問題に無関心な層もいるが、消費者の意識は流通業界が思っている以上に、変化している」と指摘。「有料化に消費者はノーとは言わない。有料化で得た利益を環境保護などに役立て、消費者に使途を示せば、理解はより深まるはずだ」と、早期の導入決断を促している。

「ニチアス石綿被害、出入り業者も補償へ」      

 アスベスト(石綿)製品の国内トップメーカーで、中皮腫など石綿が原因とみられる疾患で従業員ら150人が死亡しているニチアスは、補償金の支払い対象に社員だけでなく、工場出入りの業者の従業員も加える方針を示した。雇用関係のない被害者への補償拡大は、製品ユーザーなどへの補償のあり方などにも影響を与えそうだ。
 ニチアスでは王寺工場(奈良県王寺町)で69年から約2年間、アスベスト製品の積み下ろしなどをしていた日本通運の元社員が、今年2月に中皮腫で亡くなるなど、運送業者2人が死亡している。日通従業員は労災認定を受けているが、ニチアスとしても独自に補償する考えだ。
 補償金額や支払いの条件などは今後、調整する。ただし、周辺住民への被害は「因果関係の立証が難しく、国の指針がない現時点では補償は難しい」との姿勢だ。
 ニチアスに次ぐ76人の従業員の死者を出したクボタでは、中皮腫で死亡した周辺住民に見舞金を支払っている。だが、運送会社など出入り業者で中皮腫などで死亡した4人に対しては「労災認定され、法的に補償されている」として、クボタとして補償金を支払う予定はないという。

「急がれるアスベスト対策」      

 アスベスト(石綿)による健康被害が全国に拡大している問題で、自治体の対応や今後の方針には、かなりのばらつきがあることが、全国の都道府県、政令市を対象に行ったアンケート調査でわかった。
 大手機械メーカーの「クボタ」(大阪市)で従業員や周辺住民に大量の死者がいたことが発覚して一カ月余り。各自治体は住民の不安を解消しようと何らかの対策をとっているが、「各省庁が出す通達に対応するので手いっぱい」という声もあった。
 アスベスト問題に対する省庁の指導が統一されていない現状を浮き彫りにした格好で、専門家は早急な国のガイドライン作りを求めている。
 調査は7月25日から8月4日にかけて、全国47都道府県と14政令指定市に対して実施。クボタの問題が表面化した6月30日以降の対応や今後の方針、アスベストを使った公共建築物の把握状況などを聞いた。
 その結果、すべての自治体がアスベスト関連の相談窓口や対策連絡協議会を設け、対応策を取っていた。
 また、クボタの旧神崎工場の所在地である兵庫県の「今後、アスベスト濃度の測定個所を6から25へ増やす。遺族への聞き取り調査を実施する」、長野県の「建築面積にかかわらず、吹きつけアスベスト解体現場への職員派遣の実施」など、独自の対応策をとっている自治体もある一方、具体的な方策について無回答や「未定」としたところも少なくなかった。
 アスベスト対策は、健康被害の調査や健康診断などから、アスベストを使用する事業所の実態調査、アスベストを使用した建物の把握と処置、解体現場での飛散防止措置など多岐にわたる。管轄する省庁も厚生労働省、環境省、経済産業省、国土交通省などに分かれている。政府は先月29日、当面の対応策をまとめたが、具体策は先送りされた。
 ある県の担当者は「国の指針がはっきりしておらず、それぞれの担当部署が、それぞれの省庁が五月雨式に出す通達や要請に従って対応しているのが現状」と話す。
 米国では1970年代後半にアスベストに対する安全管理マニュアルができたという。
 アスベスト問題に詳しい東京女子大の広瀬弘忠教授は、「アスベストはもちろん危険だが、存在が即、危険とはいえない。対応が進むのは結構だが、正しい方向に進まないといけない」と指摘。「アスベストは除去ひとつとっても、中途半端だと余計に飛散する。現状のままの方が安全な場合もある。解体現場にしても、住民の健康被害対策にしても、国が早急に統一したガイドラインをつくって徹底することが必要だ」としている。

「廃油で走るエコカー」      

 ノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさんの「MOTTAINAI(もったいない)運動」に賛同して、二酸化炭素排出削減プロジェクトを実行している鳥取環境大(鳥取市若葉台北1)で、天ぷら廃油を原料にした燃料で走るエコカー(8人乗り)の出発式があった。あいさつした同学の古澤学長は「軌道に乗るにはまだ難しいが、市民にも利用してほしい」と話した。
 固めて捨てるだけだった廃油利用のエコカーは、学長を中心に取り組むプロジェクトの一つ。環境デザイン学科の吉村元男教授と学生らが研究していた。
 吉村教授らは、家庭から出た天ぷら油を回収・精製して1日40リットルの燃料を生み出すプラントを8月中旬に同大に設置。10月からは同市のバス「くる梨」1台の1日分の燃料20リットルを提供する。11月には、廃油の提供者らがエコカーを共同利用できるようにする予定。
 環境政策学科1年の北川貴洋さんは「廃油が不足している」と市民の協力を呼び掛けている。

「車の解体業者もアスベスト被害調査」      

 アスベスト(石綿)による健康被害問題で、日本自動車工業会は、自動車・二輪車メーカーへの被害調査の対象を解体業者にも拡大する。
 自動車には数年前まで石綿が部品の一部に使われており、解体時に石綿が飛散する恐れがある。解体業者の健康被害は表面化していないが、不適切な処理をしていた場合は被害が起きている恐れがある。
 石綿は、ブレーキやクラッチ部品のほか、エンジン周辺の断熱材や防音材にも使われていた。破砕処理が必要なものもあるが、専用の裁断機を使えば粉塵は出ず、健康被害が生じる可能性は少ないとされる。
 ただ、「実際にどう処理しているか把握していない」(自工会関係者)ため、すでに決めていたメーカーの被害状況の調査にあわせ、解体業者も調べることにした。
 業者は国内に約7000社あるが、すべての調査には時間がかかるため、まず月内にも主要業者から調べ始め、処理状況の把握を急ぐ。
 自動車メーカーではこれまで、石綿被害とみられる従業員・元従業員の死亡者は、マツダで2人、スズキと三菱自動車で各1人が判明している。

「広がるアスベスト(石綿)被害」      

 厚生労働省は、アスベスト(石綿)が原因で起きるがんの一種「中皮腫(ちゅうひしゅ)」で03年に死亡した878人について病院のカルテを取り寄せ、生前の職業や治療の様子などの実態調査をすることを決めた。
 石綿との因果関係や中皮腫の有効な治療法を探る狙いで、05年度内に中間報告をまとめる予定だ。
 死亡診断書を元にした人口動態統計の中皮腫による死者は03年は878人だが、中皮腫による労災補償は83人(03年度)と10分の1にとどまる。
 中皮腫は石綿との関連が強い病気とされるが、死亡した人の25%が女性であることなどから、石綿作業に直接関係しない人の発症原因なども探る。
 調査は環境省との協力も検討しており、元患者の周辺環境を調べることも検討している。
 東京都でも、アスベスト(石綿)による健康被害が問題化していることを受け、都内の建物解体工事などでアスベストを除去すると届け出があった場合、現場への立ち入り検査をするとともに、周辺大気中のアスベスト濃度を測定することを決めた。それほど、周辺環境へのアスベスト飛散に対する関心が高まっている。

「アスベスト問題」      

 世界各国で、危険がはっきりしていることから、すでに禁止されたり使われなくなっているアスベストが、この狭い国土で高い人口密度のわが国で、毎年、数万トンにも及ぶほど大量に使われ続けているということは、とても考えられないような事態である。
 我々は、それを選択したのだろうか。それでもいいと判断したのだろうか。ただ知らないために、それを黙って受け入れているように見られているだけなのではないか。
 建材メーカーなどでつくる業界団体「日本石綿協会」(東京都港区)は8日、加盟社のうち18社で、175人の従業員や退職者が石綿が原因とみられる形で死亡していたとの調査結果を発表した。うち、40人が胸膜などにできるがん「中皮腫(ちゅうひしゅ)」だった。石綿との因果関係がはっきりしないじん肺の死者数も含まれている。企業別の数字は公表しなかった。
 調査は、経済産業省の要請を受けて実施された。同協会に加盟する29社、2団体のうち、石綿製品の製造に関係する19社を対象にし、回答を寄せた18社分について公表した。
 石綿製品の製造にかかわる業界は、同協会のほか5団体あり、同協会は「今回の調査は業界全体をカバーするものではない」としている。
 同協会では、会員企業が約120社を数えた90年の名簿を経産省に渡しており、すでに退会した企業については同省が直接、調べている。
 今後、ビルなどの建造物の建て替え工事に伴って、アスベストの粉塵が大量に、日本全国に散布されることになる。その対策こそは、綿密に研究され、確実に実行されるべきで、あらゆる情報力を駆使して、監視を厳しくしていかなくてはならない。

「鳥インフルエンザ監視策強化」      

 茨城県水海道市の養鶏場から毒性の弱い高病原性鳥インフルエンザウイルスが見つかった問題で、農水省は鳥インフルエンザに対する監視策を強化するため、各都道府県での鶏のモニタリング調査の数や頻度を増やす方針を固めた。大量死などの特異な症状が見られない弱毒性のウイルスによる被害を早く発見する狙い。
 農水省は昨年11月、鳥インフルエンザの防疫指針をまとめ、各都道府県にモニタリングの実施を義務づけた。全国の各家畜保健衛生所が毎月1回、管内ごとに1養鶏場以上、10羽以上から検体を採取して、ウイルス分離検査や血清抗体検査をしている。
 だが、弱毒性の鳥インフルエンザが発生していても、モニタリングの対象に含まれない養鶏場では発見できず、対象になっている養鶏場でも、検体が感染していない場合は早期発見が難しい。
 茨城県は、4カ所の家畜保健衛生所が3養鶏場ずつ、計12養鶏場でモニタリングをしていた。(1)開放型の鶏舎(2)羽数の多い養鶏場(3)養鶏場が密集している地域――などを基準に対象を選んでいたが、今回、水海道市内で鶏からウイルスが検出された2養鶏場と、過去の感染を示す抗体反応が出た4養鶏場の計6養鶏場はいずれも対象に含まれていなかった。

「砂浜を灰皿にしないで」      

 製薬会社のファイザーが、世界禁煙デーを前に実施したアンケートによると、上場企業200社の96.5%が「全面禁煙」「分煙」などの喫煙制限を決めていることが分かった。
 3年前の調査に比べて5.0ポイント増えたようだが、海水浴場でも禁煙(分煙)を決めるところが出てきた。
「砂浜は灰皿ではありません」――静岡県熱海市が、海水浴場「熱海サンビーチ」の砂浜と周辺遊歩道を禁煙にする全国でも珍しい条例を、海開きの日にスタートさせたのだ。
 ビーチは「金色夜叉」ゆかりの「お宮の松」の目と鼻の先。全面禁煙する代わりに、砂浜に下りる階段わきの4カ所にベンチ付きの喫煙所を設けた。
「しゃれた観光地に変身させよう」という市の英断に、初日は愛煙家たちの大方も「条例は煙たいけど時代の流れでしょう」理解を示した。

「海をきれいに・・・ごみ拾い」      

 子どもたちに海の環境に対する意識を高めてもらおうと、福井県小浜海上保安署がこのほど、小浜市立田烏小学校で環境教室を開いた。子どもたちは学校近くの海岸でごみを拾い、身近な海の現状を学んだ。
 5、6年生の子どもたち11人が同署員とともに、手分けして海岸に漂着したごみを収集。ごみの特徴をカードに記入して分析した。
 ハングルが書かれたポリ袋や中国製のアメの包み紙などもあり、子どもたちは海が世界につながっていることを実感した様子だった。
 同署の波戸内一浩次長は「子どものうちから環境意識を高めてもらいたい。多くの国で意識が高まれば、海洋環境も良くなる」と話していた。

「クラゲも癒やしを与えてくれる」      

 神奈川県藤沢市の新江ノ島水族館が、20歳以上の女性限定で館内に1泊するツアーを企画したところ、30人の定員に560人の応募が殺到した。水槽の中をゆったり漂うクラゲなどの生き物を眺めながら静かに眠る「癒やし」効果が人気の理由らしい。
 小学生などの子を持つ20代から30代の女性から「静かな時間を大人だけで過ごせるツアーがほしい」という声があり、企画した。25日午後3時半集合、26日午前9時解散の予定。
 クラゲの「癒やし」が今回のテーマだ。参加者は飼育スタッフからクラゲの生態や種類、飼育方法などの講話を聞いたり、直接、無色透明なミズクラゲに触れたりしてみる。
 夕食は水深約7メートルの相模湾大水槽の前で弁当を楽しむ。ふだんは入れない飼育エリアを見学した後、持参した寝袋などで、同大水槽の前やクラゲ水槽が並ぶホールなどで就寝する。翌朝は軽い朝食をとり、ツアー体験証をもらうことになっている。入場料(大人2000円)と2食分、傷害保険料など込みで1人9500円。
 同水族館のホームページで募集すると、関東から計560人の応募があった。20歳から最高齢は78歳まで。20代後半から30代が3割以上を占め、抽選で30人を選んだ。
 同水族館はクラゲの「癒やし」効果をテーマに日本大学、東京慈恵会医科大学と今年2月、共同研究グループを発足させた。入場者へのアンケートでは、「癒やし」を感じる海洋生物として、イルカについでクラゲを挙げる人が多かったという。

「日本でもマラリア、デング熱」      

 地球温暖化が進み、平均気温が上昇していくと、自然の変化によって様々なところで我々の生活に影響が出てくる。
 例えば、熱帯、亜熱帯に特有の病気だってやってくる可能性がある。マラリアを媒介する蚊は、日本では沖縄の南西諸島にのみ生息している。しかし、国内に広く分布する別の種類の蚊も、かつて日本においてマラリアやデング熱を流行させたことがある。
 デング熱を媒介する蚊は、現在日本には生息していないが、世界では沿岸部の大都市などに多く生息している。
 気候変化により、これらの蚊の分布域が北上・拡大すると、動物媒介性感染症が増加する可能性が大いに考えられるのだ。

「養殖サンゴが産卵」      

 沖縄市で、個人が養殖して北谷町沖に植え付けたサンゴの放卵が確認された。サンゴの生態に詳しい亜熱帯総合研究所の研究主幹は「これまでに水槽内での養殖による放卵は確認されているが、自然の海での放卵は全国でも聞いたことがない」と話している。
 放卵したのはミドリイシサンゴで、約3年前に採取。水槽内で育成し、昨年1月に株分けして植え付けた。約5センチ大から、海中で1年半の間に25センチ大まで成長し、初めて産卵した。
 25日に研究者らがサンゴの一部を採取し、断面から卵を抱えていることを確認。同日夜に海中で数十群体が放卵した。
 関係者は「水温が低く、周辺のサンゴがまばらにしか産卵しない中で、養殖したサンゴが放卵してよかった。全部で四、五百群体を植え付けており、来年はもっと多くのサンゴが産卵するのに期待している」と話している。

「自動車リサイクル」      

 自動車リサイクル制度が本格施行されて5ヶ月が過ぎようとしている。制度では、自動車の再資源化の障害となるフロン、エアバッグ、シュレッダーダスト3点の処理を効果的に進めるため、車の所有者に対して料金負担を求めているのが特徴だ。
 また国の制度の対象外となる二輪車については、業界による自主的な取組みが始まり、こちらも所有者に料金負担が求められる。
 自動車リサイクル制度は、一部の「対象外となる自動車」を除いて、使用目的等を問わず、すべての自動車を対象とする。乗用車はもちろん、トラックやバスなどの大型車やキャンピングカーなどの特殊自動車、ナンバープレートの付いていない構内車両についても対象とされている。
 利便性と環境保護とは相反するもの。利便性を得た代償に、金銭や行動での負担を伴うのは当たり前である。そういう認識を、家電や自動車以外の分野でももっと広げていくことが急務となっている。

「北半球大気汚染に中国『すす』が影響・・・NASAが分析」    

 中国の工業地域などで発生する「すす」の量が急増し、北半球の大気汚染を悪化させていることが、米航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙研究所の分析で明らかになった。
 早急に排出量の低減を図らない限り、世界全体の気候に悪影響を及ぼす恐れがあるという。
 すすは、工場や火力発電所のばい煙、家庭でまきを燃やした煙などに含まれる。同研究所は、衛星観測のデータやコンピューターを使った計算で、地球表面に広がるすすの排出源を調べた。その結果、世界全体のすすの3分の2は工業活動が原因で、その半分が、中国を中心とする東アジア地域で発生していることを突き止めた。
 最もすすの影響を受けやすい北極地域を例にとると、1980年代初め、すすの排出源として大きかったのは旧ソ連と欧州だったが、その排出量はこの20年で4分の1程度に減った。現在の最大供給源は中国地域で、排出量は70年代後半の約2倍に増えたという。
 北極に飛来するすすは、海氷や氷河の減少、地表温度の上昇、海流の異変など地球規模の気候変動を引き起こす可能性がある。
 欧米や日本などの先進国がすすの排出量を減らしたのは、工場のばい煙対策などを進めた結果。大気汚染に悩む中国でも、炉を高温で燃焼させる装置の設置などが奨励されているが、導入した工場は一部にとどまり、すすの排出量は増え続けている。中国のすすは日本にも深刻な影響を与えている。
 同研究所の計算によると、西日本上空のすす濃度(雨などで地上に流れる分を含む)は、1立方メートルあたり500〜1000ナノ・グラム(ナノは10億分の1)で、北米や欧州の最大汚染地域の2倍以上になるという。

「市民レベルでの環境意識を」    

 NPOなど全国11団体で構成する「環境首都コンテスト全国ネットワーク」主催の「第4回日本の環境首都コンテスト」で長野県飯田市が総合9位、人口規模別では3位となり6日、同市役所で表彰状伝達式が行われた。
 前回(総合5位、人口規模別2位)より順位を下げたが、コンテスト事務局では「飯田市のように持続的に環境問題に取り組んでいる自治体は珍しい」と同市の姿勢を高く評価している。
 同コンテストには75自治体が参加。環境基本条例の中身、環境マネジメントシステムの有無など17項目について採点が行われた。
 その結果、総合1位は熊本県水俣市で、飯田市は9位。また、人口規模別(10万〜30万人)ではトップが岐阜県多治見市で、飯田市は3位だった。
 同ネットワーク事務局の担当者は、「飯田市は独自の環境マネジメントシステムをつくるなど先進的な取り組みをしているが、市民参加のレベルが物足りなかった」などと説明。牧野飯田市長は「指摘された課題に取り組み、公共交通政策にも力を入れたい」と語っている。

「エコレールマーク認定企業」    

 京都議定書が発効し、環境問題への取り組みが重要性を増す中、物流で二酸化炭素削減などを目指す国土交通省は、鉄道貨物輸送の利用促進を図る目的で「エコレールマーク」の認定を希望する企業の募集を始めた。
 エコレールマークは、トラック輸送に替えて鉄道貨物輸送の利用を促進しようというもの。一定条件を満たす企業などに与えるマークで、認定を受けた企業は商品やカタログなどにマークを表示することで、環境への取り組みをアピールできる。
 一方で消費者はマークを見ることで、普段は目に触れにくい企業の物流分野での環境への取り組みの一端を理解できるという仕組み。
 利便性やコスト面で、鉄道からトラック輸送に変わってきた流れが、地球温暖化対策の面から見直されようとしている。

「美しくしたい海岸」    

 国土交通省は、海岸を管理する都道府県などに環境保全に取り組む際の参考にしてもらおうと実施した「美しくしたい海岸」を選ぶアンケート調査の結果をまとめた。全国約九千人の回答を集計したところ、トップが三百八十一票を獲得した江の島(神奈川県)となり、二位に須磨(兵庫県、二百九十五票)、三位に九十九里浜(千葉県、百六十四票)が続いた。
 調査は、今年一月中旬から二月下旬にかけて、調査会社がホームページ上で実施。四位以下は、(4)内海(愛知県)(5)小樽ドリームビーチ(北海道)(6)茅ケ崎海岸(神奈川県)(7)お台場海浜公園(東京都)(8)二色の浜(大阪府)(9)鎌倉海岸(神奈川県)(10)三浦海岸(同)―の順だった。
 周辺居住者、観光客が多い都市の海岸が上位を占め、「美しくしたいベストスリー」に入った海岸は、
   「護岸コンクリートが見苦しい」
   「人工施設が海岸の自然な景観を壊している」
といったマイナス面の指摘の多さでもベストスリーを占めた。
 調査では多くの人が、海岸を美化するには
   「利用者のモラル向上」
   「清掃など管理の充実」が必要と答え、
八割以上が「美しくなれば利用回数が増える」と答えた。

「家庭用コージェネ、続々登場」    

 大手都市ガス・石油会社が、家庭で使うお湯と電気を同時に供給するコージェネレーション(熱電併給)装置を次々と商品化している。先行した都市ガスを小型エンジンで燃やす方式に続き、今年は燃料電池も登場。新たな省エネ技術として普及が見込まれ、各社は商品戦略に知恵をしぼっている。
 今年2月、東京ガスは家庭用としては世界初となる燃料電池コージェネのレンタル受け付けを始めた。都市ガスから作り出した水素を燃料電池で酸素と反応させ、出力1キロワットで発電。排熱を利用して60度のお湯もわかし、台所や風呂などで使う仕組みだ。
 標準世帯で光熱費を年6万円程度節約でき、エネルギー消費量も26%減るという。レンタル料は年10万円。3月までの募集枠20台に対し約150件の申し込みがあり、広報担当者は「消費者の関心は高く、予想以上の反響だ」と話す。
 一方、1カ月遅れの3月に、液化石油ガス(LPG)から水素を取り出すタイプを投入した新日本石油にも、これまでに200件以上の問い合わせがあった。05年度中に関東圏で150台を貸し出す予定だが、「申し込みが枠を上回るのは確実」だという。

   〈主な家庭用コージェネレーションの比較〉

        ガスエンジン式   固体高分子形   固体高分子形   固体酸化物形
        (エコウィル)     燃料電池      燃料電池      燃料電池
                     (東京ガス)    (新日本石油)   (大阪ガス目標)
燃料      都市ガス      都市ガス      LPG         都市ガス
発電出力   1キロワット     1キロワット    750ワット      1キロワット
発電効率     20%       34%        34%         45%
熱回収効率    65%       44%        42%         30%
商品化時期  03年3月      05年2月     05年3月      08年度ごろ
価格      75万円前後    年10万円     年6万円       未定
          (販売)       (レンタル)    (レンタル)

「産廃の電子管理を10倍に」    

 環境省は25日、産業廃棄物の不法投棄対策として、紙伝票よりも処理過程が透明化する電子マニフェスト(管理票)を本格的に推進、2008年度までに利用件数を現在の10倍から13倍の約1000万−1300万件、利用事業者数を3万−3万5000社にする目標を決めた。併せて、携帯電話での報告も可能にするなど、利用しやすい体制も整えていく。
 現在は、複写伝票式の紙マニフェストが広く利用されているが、昨年発覚した岐阜市のケースを始め各地の不法投棄では管理票の偽造などが目立っており、電子化で管理を容易にする。
 パソコンやe-メールの普及でペーパーレス社会になると予想されたが、現実はオフィスからの紙ゴミの量は減っていない。
 肝心要の産廃処理の分野でどこまで徹底できるのか、注目されるところだ。

「三菱側の環境調査案を了承」    

 複合施設「大阪アメニティパーク(OAP)」(大阪市北区)のマンションが土壌などの重金属汚染を隠して分譲された事件で、マンションの管理組合は臨時総会を開き、事業主の三菱地所と三菱マテリアルが提案していた環境調査案を賛成多数で可決した。
 調査には数カ月かかり、その後に土壌や地下水汚染に初めて包括的な対策がとられることになる見通しだ。
 OAPの地下水汚染は2002年9月に発覚。敷地内の地下水から環境基準の最大65倍のヒ素や83倍のセレンなどを検出しながら、公表せずにマンションを販売していた。大阪府警は宅地建物取引業法違反容疑で両社などに対する詰めの捜査をしている。
 三菱自動車の例を見ても、三菱という企業グループを筆頭に、企業というものはことあるごとに隠し立てをするものだとの認識を国民は持つべきだ。それ以外に環境問題を解決していく道はない。
 「感心と監視」。環境問題対策に絶対に欠かせないポイントである。

「排水データを改ざん」    

 金属大手の昭和電工(本社・東京都港区)は9日、千葉事業所の工業排水量が昨年1年間、水質汚濁防止法や県と市原市との公害防止協定での届け出量を計58回上回りながら、データを改ざんし、県や市に報告していたと発表した。これを受け、県や市は、同社に協定に基づく改善を指示する一方、「立ち入り調査の強化や回数を増やすなど、協定の見直しも必要だ」と指摘した。
 県は、JFEスチール東日本製鉄所千葉地区で2月、国の基準値を上回るシアン化合物などが排出され、水質測定データが改善されていた問題を受け、協定を結ぶ61工場に自主点検を求めた。その結果、昭和電工千葉事業所が提出した報告書と、事業所内のデータを照会したところ、改ざんが判明したという。
 同社などによると、1日の届け出排水量は4676立方メートル。実際にはこれを3〜713立方メートル超えたことが58回あり、いずれも届け出量内に抑えた数値に改ざんしていた。
 水質汚濁防止法の基準値を超えた有害物質の流出はないが、県と市は相次ぐデータの改ざんという事態を重視。県の米田謙之輔・環境生活部長は会見で「経営者が環境問題に対してどういう意識をもっているかが問われる。企業は社会的責任を果たしてほしい」と訴えた。

「美浜原発事故で調査報告書」    

 11人が死傷した関西電力・美浜原発3号機の蒸気噴出事故で、関西電力と三菱重工業は、事故原因の調査結果や再発防止策を盛り込んだ報告書を経済産業省などに提出した。 その中で、関電は97年に別の原発で配管の検査漏れが報告されていたにもかかわらず、美浜3号機を含むすべての原発で同様の検査漏れがあるかどうかを確認していなかったことを明らかにした。
 メーカーの三菱重工は配管の検査部位のチェックを1人の社員が担当していたと説明、ともにずさんな管理態勢が事故を招いたことが改めて浮き彫りになった。
 報告書などによると、事故の7年前の97年、配管の管理をしていた関電の子会社、日本アームの担当者が、高浜原発4号機の配管の検査漏れに気づいて現地の関電社員に報告。しかし、この社員は「検査漏れの危険性についての認識が甘く」情報を上司に報告しなかった。
 この配管は美浜3号機で破損した配管と同種で、高浜4号機以外のすべての原発でチェックできていれば、事故は防ぐことができた可能性が高い。
 関電によると、判明した検査漏れは11基で計42カ所。当初、配管検査を担当していた三菱重工は91〜95年に10カ所で発見したにもかかわらず、関電に報告していなかった。
 96年に検査業務を引き継いだ日本アームも、高浜4号機の配管を含む17カ所で気づきながら、高浜4号機以外は情報を提供しなかった。残りは事故後にわかった。

「リサイクルでCO2減らせる」    

 環境省は、ペットボトルやビール瓶など飲料容器の生産からリサイクル、廃棄までの全過程で、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)をどれだけ排出するかを計算した報告をまとめた。
 ガラス瓶、ペットボトル、スチール缶、アルミ缶、紙パックを対象に、原料となる資源の採取から容器製造、飲料充てん、流通、消費、廃棄、リサイクルなど各段階でのエネルギー使用量などを割り出し、CO2の総排出量を計算した。
 その結果、どの容器の場合でも1回だけの使い捨てより、リサイクルやリユース(再使用)したほうがCO2の排出が少ないことが判明した。
 環境省は「分別収集などの作業に必要なエネルギー消費を考えてもリサイクルが環境への負荷が小さいことが裏付けられた」としている。
 当然の結果とも思えるが、まずは身近なことから実行することの必要性を示唆していると言える。

「環境に配慮を 沖縄県が施設局に要請」    

 普天間飛行場代替施設建設のボーリング調査でスパット台船が海底のサンゴを破壊した問題で沖縄県は、事業者の那覇防衛施設局に対し、
「作業方法をより慎重に検討して、自然環境への配慮に最大限努めていただきたい」
という主旨の文書を提出した。
 文書は昨年12月に、施設局が県に出したサンゴの破損状況についての報告書を受けたもの。しかし、ボーリング調査中止を求めてきた市民団体は、具体的な改善策の要求が盛り込まれていないと批判している。
 文書はA4サイズで1ページ。
「サンゴなどへの影響を回避・低減するよう作業結果に沿って実施したと考えるが、結果として影響が生じている」
と指摘し、県が昨年4月、同調査実施に当たって求めた環境配慮事項に沿った作業を求めた。さらに、環境監視結果の報告を速やかに行うよう求めている。
 沖縄県環境政策課は、
「サンゴの破壊は非常に残念だ。しかし、調査地点はサンゴの被害度5%未満で計画通り実施されている。事業を行う以上、影響がまったく出ないことはないが、事業者には責任を持って、影響を回避、低減するよう努めてほしい」と話している。

「節電・節水・紙の再利用」    

 宮城県多賀城市内の小中学校が、学校ごとに目標を定めて、節電や節水、紙の再利用に力を入れている。こうした「学校版環境ISO」とも言える取り組みをさらに進めようと、市のISO担当職員が監査委員となって8日、多賀城小と多賀城中を訪問、児童生徒や教師から初めて聞き取り調査をした。
 同市は2002年に環境ISOの認証を取得、「学校版環境ISO」は03年度から市内の全10校で導入された。
 例えば、多賀城小の場合、04年度の目標を電気と水道の使用料が前年度比3%削減、ごみの排出量は5%削減と設定。児童会に環境委員会を新設して、紙の再利用などにも取り組んでいる。
 市ISO事務局の生活環境課と市教委の職員計5人が訪れた多賀城小では、職員が「電気の使用量が前年度より増えている」「環境教育について教えてほしい」などと担当教師に質問した。
 児童代表の3人も同席し、「各クラスに紙のリサイクル箱を置いている」「水道の出しっぱなしがまだ見られる」と報告した。教室や校内のごみ集積所も見て回った。
 環境委員会委員長の生徒は「紙の再利用などはみんなよくやっていると思う。卒業まで、あと少しだけど、今後も節電や節水に努力して、後輩に引き継ぎたい」と語った。
 子供の頃からの環境教育が、将来の日本や地球の環境を守る必須条件であることは間違いない。

「飼い犬がエキノコックス感染」    

 キタキツネや犬などに寄生し、人間では肝障害を起こす寄生虫エキノコックスに、飼い犬が感染したと、厚生労働省が発表した。北海道の獣医師が保健所に届け出たもので、昨年10月からエキノコックスなど3種類の感染症について、獣医師の届け出が義務づけられてから、初の報告例となる。
 感染したのは雄のラブラドル犬。ふだん山野を散歩させていたことから飼い主が感染を疑い、動物病院で検査したところ、感染が確認された。この飼い主は感染していなかった。
 獣医師から届け出を受けた保健所は、犬を外出させないよう飼い主に指導。感染源となる犬のふんも回収した。
 北海道疾病対策課によると、道内の獣医師による飼い犬のエキノコックス症の報告は、従来の任意届け出も含め7例目。

「宇宙のゴミ」    

 宇宙と言えばロマンの宝庫のように思っていたが、地球の周りはゴミの山。この宇宙のゴミは「スペースデブリ」と呼ばれる、使用済みで放置された人工衛星や部品などである。
 1957年旧ソ連が世界初の人工衛星を打ち上げてから、アメリカは物凄い勢いで追いかけ、続いてヨーロッパ・日本・中国も打ち上げた。
 その数なんと約4000回、重さにして数千トン。そのほとんどが用済みになっても回収されずに捨てられる。
 ロケットや衛星のように大きいものから、カメラのキャップや日除けのフード。ロケットをつなぐバンドや太陽電池が開かないようにしておくためのワイヤーなどもある。
 さらに、ロケットや人工衛星には、燃料は多めに積んで行く。従って、ロケットが役目を終えゴミとして捨てられる際も、ある程度燃料などが残ったまま捨てられる。残った燃料は、その後どうなるかといえば、爆発するそうだ。
 今までに起こった爆発の回数は大小合わせると約200回。その度にたくさんの小さな破片が飛び散ることになる。そんな小さなゴミでも馬鹿にはできない。
直径3ミリの宇宙ゴミが10キロメートル進むのに、何と1秒。これはピストルの弾の10倍以上、戦艦の大砲の5倍の速さだ。
 つまり3ミリのゴミにぶつかると、ボーリングのボールが時速100キロで飛んでくるのと同じ衝撃だというから凄まじい。
 その宇宙ゴミが、現在何個ぐらいあるかというと、どこを飛んでいるか分かっている10センチ以上の大きさのものだけで8900個。数ミリサイズのものまで含めると3500万個程度あるそうだ。
 96年に若田さんが宇宙飛行の際に取って来た実験機30平方メートル中には700個以上の小さな衝突跡があった。
 スペースシャトルに民間人が乗り込めるようになった今、その安全の意味からも宇宙ゴミは放置できない問題なのだ。
 21世紀は、自分の町や国だけでなく地球全体の環境も考えていかなければならない。 地球を汚して、破壊してきた先進国と言われる国々が、今度は宇宙をゴミだらけにしているのだ。

「家電の省エネ度店頭表示を義務化」    

 地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量を減らすため、東京都は家電製品の省エネ性能を5段階で示したラベルを店頭表示することを、条例で量販店に義務づける方針を固め、新年度予算案に関連事業費を盛り込んだ。
 家電業界には異論もあるが、首都圏自治体や同様の条例を可決している京都市などとも協力し、全国基準を目指すとし、2月の都議会に「環境確保条例」の改正案を出し、夏までに施行する方針だ。
 当面は消費電力量の多いブラウン管テレビとエアコン、冷蔵庫が対象だが順次拡大する。店が表示をしない場合は勧告や店名公表も検討している。
 家電製品の省エネ性能は、国の目標基準を達成したかどうかを示すJIS規格がある。達成と未達成の2種類のラベルがあるが、カタログに示している製品が多く、大半は基準を達成しているのが現状だ。
 都が導入するラベルは、国の基準を満たした製品をAAA、AA、Aの3段階、満たしていない製品をB、Cの2段階に分ける。都がそれぞれ相対評価して区分するのだが、製品価格と10年間でかかる電気代の合計額も示し、最終的にどの商品が得かを、消費者が買う時に比べられるようにする。また評価を随時見直して差別化し、メーカー間の技術開発競争を促す方針だ。
 東京都は量販店と協力して02年に初めて制度を試行し、その後、首都圏各県や京都市などが試行を始め、同市はすでに条例を可決した。各自治体で協議して基準をそろえており、先導役の都が条例化することで全国普及に弾みをつけたい考えだ。
 一方、家電業界には相対評価を受けることに対する抵抗感もある。エアコンメーカーなどでつくる日本冷凍空調工業会の松本秀男企画部長は「省エネ家電の普及を図る都や量販店の努力は評価する。しかし相対評価では線引きが明確でなく、3段階に分けるのは厳しすぎる。機会があれば都に意見を伝えたい」と話している。

「ゴミの不正輸出、水際で防止 通関段階で未遂罪創設へ」    

 ごみの不正輸出を防止するため、環境省は13日、廃棄物処理法を改正して、未遂罪を新たに設け、取り締まりを強化する方針を固めた。現在は船や飛行機に積み込まれるまで罪に問えないが、今後は通関段階での摘発が可能になる。次期通常国会に改正法案を提出し、水際での対策を目指す。
 廃棄物処理法は、海外へのごみ輸出は、環境相の確認を受けねばならないと定めている。違反すれば、3年以下の懲役か300万円以下の罰金が科せられる。
 しかし、現状では確認を受けていないことが通関段階で発覚しても、輸出の申告を取り下げれば、罪には問われない。
 昨年4月に東京税関で発覚したケースでは、再利用できる廃プラスチックを香港に輸出するとの申告を受けて検査したところ、紙や土などのごみが混入していた。同省によると、粉末状の木炭に軽油かすをしみこませる偽装をして輸出しようとするケースもあったという。
 船や飛行機などにごみを積み込んだ時点でないと、違法とはならないため、未遂罪を新設することにし、罰金や懲役などの量刑を法務省と協議している。
 ごみの輸出を巡っては、昨年4月、福岡市の企業が、「資源」として中国に輸出した廃プラスチックに廃棄物が混入していたとして、中国が日本側に、厳重抗議する問題も起きた。中国は5月、日本からの廃プラの輸入を中止、現在停止したままになっている。国際問題にまで発展しかねないため、環境省は早急に対応する必要があると判断した。

「バスの違法放流をエサで解明」       

 生態系への影響が深刻とされ、飼育や運搬などが禁止される「特定外来生物」への指定が論議されている北米原産のオオクチバスについて、エサから放流時期を探る手法を北海道立水産孵化場が開発した。漁業調整規則がすでに禁じる違法放流の調査手段になりそうだと注目され、環境省の外来生物法関連の専門家会合でも紹介された。
 バスのような大型肉食魚の体の構成成分は、エサによって変わる。研究者らは養殖業者から買ったオオクチバスの稚魚を人工飼料で1年間飼育し、体の成分の変化を調べた。次に、約50匹のエサを石狩古川で採れたスジエビに代えると、バスの体の成分は徐々に変わり、約半年で安定することが分かった。
 この実験を基に、北海道余市町の余市ダムで数ヶ月おきに捕獲したオオクチバスと、胃内のスジエビ、余市ダムでエサとなりうるニジマスやアメマス、ハナカジカ、フナの体の成分を調べたところ、バスは9月捕獲分を除いて「この水域の魚介類を半年以上食べ続けているとは考えにくく、最近、違法放流された可能性が高い」と分かった。
 札幌市近郊の南幌町親水公園池で02、03年に捕獲したオオクチバスも調べた。いずれも体重約100グラムと500〜700グラムの2グループがあり、500グラム以上は長期間ここに生息していたと見られるが、100グラム級は比較的最近放流されたと分かった。04年6月に捕獲した約300グラムのバスも、最近の違法放流によるものと判定された。

「樹木が波の勢いを弱める」       

 タイ南部の津波被害を日本の学者らが調査し、タイ首相府高官に今回の津波の特徴を説明した。ピピ島では2方向から津波が押し寄せ、プーケット島の北にあるカオラックでは高さが10メートルを超え、大きな被害を出したことがわかった。また、一部では海岸沿いの植栽が、津波の勢いを弱めたことを背後の建物の状況などから確認した。

 秋田大学の水工学グループが調査を担当し、プーケット島を中心に、被害が特に大きかったカオラック、ピピ島の津波の解明にあたった結果判明した。
 ピピ島では建物などの痕跡や目撃証言から、島の中心部付近には北側から高さ6メートル、南側から4メートルの津波が襲ったことを確認した。二つの津波がそれぞれどのような被害を起こしたかについては、ほとんどの建物が破壊されたため、判明しなかったという。
 またカラオック周辺では、建物に残る痕跡などから高さ10メートル前後の津波が襲ったことを確認した。また、建物の被害などから津波の速度は一部で秒速10メートル(時速36キロ)に達していたこともわかった。
 さらに、海岸沿いにヤシの木などが密集して生えていた場所と、わずかだけしか生えていなかった場所とで、背後の建物に残る津波の痕跡も調査。密集していた場所の方が、誤差はあるものの約30センチ津波が低くなり、津波の勢いを弱める効果があることも確認した。植栽が自然環境や人間の暮らしを守ることにどれだけ大きな役割を果たすか、あらためて認識させられた。

「コンクリート工場跡地から汚染物質検出」       

 線路の枕木用のコンクリート製造大手「興和コンクリート」は、大月市の同社大月工場跡地から、環境基準を最大4・6倍上回る六価クロムなど4種類の汚染物質を自主調査で検出したと発表した。03年8月に閉鎖された工場からは既に汚染土壌を撤去し、周辺には地下水もないため、住民への健康被害の心配はないというのだが。
 同社によると、土壌への最大溶出量は、六価クロム4・6倍、テトラクロロエチレン4・3倍、フッ素2・3倍、鉛2・0倍(含有量で計算)に達する。
 今年2月以降の自主調査で汚染が分かり、10月中旬に汚染土壌を撤去した。11月26日に県や大月市に報告し、県は同30日に跡地付近の桂川で採水した。
 同跡地はJR大月駅北口にあり、敷地面積は約3万平方メートル。同工場では1939年に操業を開始した。六価クロムはセメントから出る不純物の集積場所から検出。その他の物質も過去の操業過程で排出された可能性があるという。

「京都議定書以後」       

 国連気候変動枠組み条約第10回締約国会議(COP10)は会期を1日延長した18日、京都議定書以降の国際制度などについて話し合うセミナー形式の国際会合を来年5月に開催することなどを決めた。
 本会議で正式決定し、同日午前(日本時間同日深夜)に閉会した。米国が京都議定書の延長線上で次期温暖化対策の枠組みが進むことを警戒して会議は紛糾。国際会合と同議定書との関係を否定する方向となったため、議定書の実効性に不安を抱かせる決着となった。
 国際会合は、05年から本格的な議論が始まる京都議定書後の温暖化対策への助走としての意味づけで、ホスト国のアルゼンチンが提唱したが、米国はこれに強く反発、単なる「勉強会」としての開催にこだわった。
 また欧州連合(EU)は、国際会合での議論をCOPに報告させるなど次期枠組みについて京都議定書の延長線上で議論をすることを主張。閉会予定の17日深夜から18日午前にかけて徹夜の交渉が続いた。
 最終的にEUが折れる形で、国際会合の位置づけについて、議長提案には「新たな約束につながるいかなる交渉も始めるものではない」との一文が盛り込まれることになった。
 同議定書の来年2月の発効によって、温暖化防止の取り組みは新たな段階に入るが、最大の排出国である米国や2位の中国、5位のインドなどに削減義務はない。次期枠組みにはこれらの国の参加が欠かせず、米国の参加の可能性を残したいとの意向が働いたとみられる。
 同議定書は遅くとも05年に、13年以降の枠組みについて議論を始めなければならないと定めている。国際会合は決まったが、EUと米国の対立を反映して同議定書との関係を否定する形となったため、今後の温暖化防止策に不安が残された。
 途上国では、インドが「さらなる途上国の約束につながることを意図しない」と盛り込むよう提案。中国やサウジアラビアをはじめとする産油国もこれに賛同したが、途上国に限定した文言は盛り込まれなかった。
 温暖化による自然災害の被害を受けやすい途上国への経済支援も今回の大きなテーマの一つだった。サウジアラビアなどの産油国は、これに世界的な二酸化炭素(CO2)削減による化石燃料の消費低下の補償も加えることを主張。先進国だけでなく早期の援助を求める途上国も反発した。
 結局、今後5年間で温暖化による被害を科学的に評価することなどのブエノスアイレス作業計画がまとまった。
 来年11月に開かれる同条約第11回締約国会議(COP11)は、同議定書が来年2月に発効することから同議定書第1回締約国会議(COP/MOP1)と同時開催され、条約事務局があるドイツのボンで開かれる見通しだ。

「自然との共生の真実」       

 環境省は、ツキノワグマやニホンジカ、キツネなど中・大型哺乳類の生息区域の割合が、ほぼ四半世紀前に比べ約6〜18%増えているとの調査結果を発表した。過疎化や高齢化で管理されなくなった農耕地や人工植林地での増加が目立った。
 これは今年相次いだクマ被害の一因とみられ、同省は「野生動物の行動範囲が広がり人と接触する確率が増えた。どう共生していくのか、改めて大きな問題だ」としている。
 00〜03年度に、森林や山で鳥獣保護や狩猟などに従事する約1万8000人から聞き取った結果だが、全国を5キロ四方、約1万7000の区画にわけ「過去5年間に見た」との情報が、1区画で2件以上あった場合を「生息」とした。
 生息区域の割合は、▽ニホンジカ42%(前回78年度調査では24%)▽カモシカ29%(同17%)▽ニホンザル20%(同13%)▽ツキノワグマ(北海道除く)34%(同28%)▽ヒグマ(北海道のみ)55%(同48%)▽イノシシ39%(同30%)▽キツネ67%(同58%)▽タヌキ66%(同59%)で、全種で増えていた。
 今年、市街地などで出没が相次いだツキノワグマは、行動範囲が広がる一方で、紀伊半島や四国では孤立した分布域もみられ、絶滅に向かう地域もありうるという。
「人と自然の共生」と口にするのは簡単だが、人間がどこまで今の利便性の名の下に自然を好き勝手に破壊する既得権益、動物本来のテリトリーを犯し、ぬくぬくと住んでいる既得住域を放棄するかという問題であることが、果たして人間が理解しているのかどうか。

「吉野川第十堰の改修」       

 NPO法人「吉野川みんなの会」が3日、吉野川第十堰(ぜき)の改修について、第十堰の歴史的景観を損なわないよう留意することなどを求める要望書を、国土交通省徳島河川国道工事事務所(徳島市上吉野町3)などに提出した。同省は補修方法を検討する材料とするため、形状や周辺環境などの調査を進めており、同会は住民意見の反映なども求めた。
 山下信良代表理事ら3人が訪れ、田村猛副所長に要望書を手渡した。
◎(上流側にある)上堰の被害調査を住民とともに行う。
◎(下流側にある)下堰の補修は自然環境への影響軽減や親水性、景観に配慮する。
◎補修計画を作る場合、事前に図面などを公開し、住民意見を反映する。
◎木の伐採などの保全事業は可能な限り、住民参加で行う。
などがその内容だ。
 さらに「青石が組まれた上堰は、歴史的にも技術的にもすばらしいものと考えており、その部分は基本的に『補修』で対応していただき、青石の光景を残してほしい」とも要請した。
 田村副所長は「どこが壊れているかなどを調べてから」と答え、具体的な改修場所や方法、時期などには言及しなかった。
 いつ言及するのか、回答はあるのか、監視を続けたい。

「北朝鮮軽水炉凍結、廃止の可能性も」       

 「KEDO」朝鮮半島エネルギー開発機構は26日、昨年12月から続く北朝鮮・琴湖での軽水炉建設事業の凍結をさらに1年間延長すると正式に発表した。KEDO筋によると、この日に発表した声明には盛りこまなかったが、今後1年間に北朝鮮の核問題で進展がなければ、理事会は事業そのものを廃止する方針でも一致した。北朝鮮が核放棄に向けた具体的な措置をとらなければ、94年の米朝枠組み合意が名実ともに消滅することになる。
 発表された声明によると、日米韓3カ国とEUで構成するKEDO理事会は、昨年12月から今月末までの1年間とした軽水炉事業の凍結期間を、1年間延長する。また、「事業の将来については、凍結期間が切れる前に理事会が検討し、決定する」としている。
 しかし、北朝鮮が米朝枠組み合意を破ってウラン濃縮計画に着手したうえ、同合意に基づいて凍結していた寧辺の核開発施設を再稼働、査察官を追放したことなどから、米政府は「北朝鮮に軽水炉を供与する理由は、もはやない」と主張。事業の廃止を求めた。
 これに対し、日韓両政府には慎重論も根強かったが、「6者協議への出席を拒むなど、核問題に対して北朝鮮に前向きな姿勢が見られない中で、いつまでも凍結を続けて静観するわけにもいかない」と判断。米政府の求める即時廃止は回避する代わりに、凍結期間の延長は今回を最後にすることで合意。1年以内に核問題が好転しなければ、事業を廃止する方針を理事会として内定した。
 ただし、北朝鮮の反発や過剰反応が6者協議などに悪影響を与えることへの懸念から、1年後の廃止方針は声明に明記されなかった。
 KEDO事務局によると、事業凍結中の工事現場を維持、管理するための費用は年間9500万ドルにのぼるという。
 琴湖の軽水炉建設現場では、建設途中の建物や機材の管理、保全のため韓国人作業員約100人が滞在している。

「吉兆か?環境悪化の証か?」       

 札幌市中央区の円山公園で20日、白いカラスが木々の間を飛び回り、訪れる人たちを驚かせた。白いカラスはイチイの実を食べ、木の枝から愛嬌を振りまいていた。
 専門家によると、ハシブトガラスのアルビノ(白子)らしいという。園内では10年ほど前から「目撃した」などのうわさが広がっていたが、写真撮影された例は少なかった。
 そばに北海道神宮があり、公園を散策する人たちから「神の使い?」「幸せを運ぶ鳥かも」などの声が飛び交ったが、自然環境の悪化から何らかの影響を受けて突然変異が起こったとも考えられる。
 暢気に「吉兆」であるかのように考えるより、我々の日常生活が、野性に与える影響の大きさを考え、反省をし、少しでも改善していけるように、そのきっかけにするべく現れたカラスであると思いたい。

「インドネシアの電力設備」       

 インドネシアで05年夏までに稼働する予定の大規模電力プラント(総発電容量740メガワット)の建設に、国際協力銀行が総額304億円を融資する予定で、近く同国政府と調印する。
 このプラントはインドネシアで計画されている電力設備の中でも最大規模で、05年以降に予想されている電力不足緩和に役立つと期待されている。
 国際協力銀行は東京三菱銀行や三井住友銀行など民間6行と協調し、輸入代金を同国政府に融資する。
 プロジェクトの中心となるのはインドネシア国有電力企業で、ガスと水蒸気でタービンを回す複合火力発電所をジャワ島西部に建設する。
 三菱商事が元請けとなり、三菱重工業のタービンや三菱電機の変電機などすべて日本製の機器を納める。
 同国の最大電力需要は03年に約1万4000メガワットで、需要の伸びは年約7%と見込まれる。国際協力銀行は、電力不足になると現地に進出している日本企業への影響も大きいことから融資を決めた。今後も、09年まで計画されている電力プロジェクトのうち、約6割について参画する。

「京都議定書にロシア大統領が署名」       

 ロシア大統領府は、プーチン大統領が地球温暖化防止のための京都議定書の批准法に署名したと発表した。近く批准書を国連に寄託するが、その90日後の来年2月に発効する。97年の議定書採択から約7年を経て、温室効果ガス削減を各国に義務づける国際的な対策がようやく始動する。
 最大の温室効果ガス排出国の米国がブッシュ政権下で京都議定書の枠組みから離脱したことで、発効にはロシアの批准が不可欠となっていた。
 ロシア議会は先月、批准承認法案を可決した。しかし、枠組みに加わるのは「08年から12年までの第1段階」とし、それ以降も残るかどうかは未定とする付帯条項をつけた。この条項はプーチン大統領の指示によると見られる。
 プーチン政権はロシアの市場経済活性化に必要な世界貿易機関(WTO)加盟交渉で、欧州連合(EU)に対し、京都議定書の批准を取引材料に使っていた。
 13年以降の態度を保留したのは、枠組み参加がロシア経済に及ぼす影響を見極める一方、引き続きEUなどとの外交カードに使う思惑もあると見られる。
 京都議定書が発効することで、今後は米国の枠組み復帰や温室効果ガスの排出量が多い中国、インドの扱いなど、第2段階に向けた枠組み整備が焦点となる。
 議定書は二酸化炭素(CO2)など6種のガスについて、08〜12年の年平均排出量を90年比で日本は6%、EUは8%削減するよう定めている。しかし、日本は02年度時点で逆に7.6%増加しており、政府は目標達成に向けて温暖化対策の再強化を迫られている。

「ディーゼル車の排ガスにもっと注意を」       

 国土交通省は6月の「不正改造車を排除する運動」強化月間中に行った全国での街頭検査の結果を発表した。
 同運動の大きな目的のひとつは、整備不良ディーゼル車による環境悪化の防止だが、検査では黒煙濃度基準を超えたディーゼル車が50件見つかり、昨年の39件より11件も増えていた。
 東京都ではディーゼル車規制がある程度の効果を見せているようだが、全国的にはディーゼル車の排気ガスの問題は相変わらずのようだ。
 急速にディーゼル車を撤廃したり、うんと高度な排ガス規制を設けるのは実際には難しいかも知れない。
 しかし、ディーゼル車の保有者・使用者は、せめて日常の整備だけでも徹底して、少しでも排気ガスをまき散らさないように徹底してもらいたいものだし、市民は監視を厳しくするべきであろう。

「環境危機時計」       

 旭硝子財団による「地球環境問題と人類の存続に関するアンケート」の調査結果が今年も発表された。これは同財団が、世界各国の政府や民間の環境問題に携わる有識者を対象に、環境問題に対する取り組みへの認識を調査しているもの。今回は国内から324名、海外から95ヵ国479名からの回答があった。
 人類存続の危機に関する認識を示す「環境危機時計」の平均は、9時8分。昨年の9時15分より7分戻り、極めて不安の域は出ないものの、やや危機意識は和らいだ結果となった。これは「現在の地球環境の悪化に伴う人類存続の危機の程度」を問う設問で、0時1分〜3時が「殆ど不安はない」、3時1分〜6時が「少し不安」、6時1分〜9時が「かなり不安」、9時1分から12時が「極めて不安」を表している。
 本年度焦点をあてた調査項目の一つで「経済成長と環境保全の両立の可能性」を問う設問では、北米、西欧オセアニアで「両立は難しい」とする回答が「両立は可能」とする回答を上回っていた。また、日本および途上地域のその他アジアとアフリカでは「両立は可能」とみる割合が60%を越え高かった。
 日本のみで見ると、「両立可能と思う理由」の一位が「規制により環境に配慮した製品、製造プロセス、移動手段問等を促し、消費や投資を刺激することで可能」という結果だった。解説を行った同財団の理事は、循環型にシフトするのではなく、「規制で済まそうとしている」と懸念を示した。

「破綻3セク風力発電事業を継続」       

 経営破たんした第3セクターの風力発電施設を、町が無償で譲り受けて事業を継続する動きが出てきている。
 風力発電の第三セクター、恵山クリーンエネルギー開発の経営破たん問題で、恵山町は、同社から施設の無償譲渡を受けて発電事業を継続する方向で調整に入った。また、出資者の住友商事北海道に対し、債務の一部を負担するよう要請した。
 恵山クリーンエネルギーの発電量は、風量が少ないため当初計画の4分の1程度にとどまるが、年間2000万円程度の売電収入は確保できる見通しだ。債務を分離して町が運営すれば、数百万円の利益を確保できると判断した。
 この事業で同町は銀行2行と損失補償契約を結んでおり、同社に代わって融資約4億8000万円を返済せざるを得ない状況にある。
 稼働中止や他の事業者に施設を売却した場合は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から交付された補助金3億6000万円を返還する必要も生じる。
 施設を売却しても補助金分に足りない可能性が大きく、億単位の新たな負担が生じかねないため、同町が事業を継続し、補助金返還という事態を回避することが目的である。

「奥入瀬マイカー規制」       

 自然環境の保護と交通渋滞の解消を目的にした、奥入瀬渓流沿いの「マイカー規制」が始まった。初日は、朝から肌寒い天気に見舞われたこともあり人出は少なめだったが、大きな混乱もなく日程を終えた。  
 午前九時の規制開始とともに、国道102号の惣辺・子ノ口交差点で、奥入瀬渓流適正化協議会のスタッフがマイカーを迂回路や無料駐車場へ誘導。
 焼山、休屋、宇樽部の三カ所の無料駐車場(計七百四十台)の利用台数は約百台にとどまり、シャトルバス利用者も約七百人(往復利用者を二人と換算)で、昨年の初日より五百人ほど下回った。
 渓流沿いでウォーキングしていた団体は「以前来た時は路上駐車が多く歩きづらかったが、今日は快適」と笑顔を見せた。ただ、規制を知らずに来た県外観光客は今年も多く、バス停や規制区間の手前で戸惑う姿も見られた。
今後、各地の観光名所周辺で同様の規制を検討する自治体が続くことも予想される。

「八戸で循環型社会観察ツアー計画」       

 八戸市のNPO法人「循環型社会創造ネットワーク(通称・CROSS)」が、八戸市内で行われている新エネルギー実証研究やゼロエミッション、エコタウンの取り組み現場を産業観光ルートとして売り出す「エコツアー」を企画している。
 「CROSS」が視察者の宿泊場所や視察先との調整を引き受け、ガイド役も務めるとして、早ければ年内にも始める予定だ。 
 同市は環境・エネルギー産業創造特区の指定を受けている関係で新エネルギーや環境分野で先進的な取り組みが多く、近年、視察に訪れる関係者が増えていて日程調整が難しいことなどが課題となっているほどだ。
 また、ホームページ上でツアー紹介や予約の受け付けを行うほか、視察先と同ネットワークの日程調整までを一元管理できるシステムを構築し、こうした課題を解決する構想を持っている。
 「環境対応型屋台」を目指す八戸屋台村や、食品廃棄物からの水素生成に取り組む八食センターを中心に、民間企業などを組み合わせて視察コースを作る予定。当面は月に数回ツアーを組み、参加状況に応じて実施することにしている。将来的には、ツアー回数や視察先の組み合わせを増やしていく方針だ。

「解体核兵器に抗議デモ」       

 米国の解体核兵器から回収された粉末プルトニウムのフランスへの海上輸送が始まり、25日、環境汚染や核ジャックを懸念する反核団体による抗議デモが仏国内8都市で実施された。
 反核団体「脱原子力」の広報官は
「フランスはすでに欧州における核のゴミ捨て場。米国が加われば、世界中の核のゴミ捨て場になってしまう」
 と言っている。
 核には必ず、廃棄の問題が付随してくることを世界中のリーダー達は知っていながら核の利用を止めようとしないのはなぜなのか。
 またフランスは自国だけの問題ではなく地球がゴミ捨て場になっていることを考えて、世界にアピールするべきである。
「フランスではなく、どこか他の国へ持っていってくれ」
 というのであれば抗議デモも影が薄くなる。

「中国が、原発27基の建設検討」       

 中国国家原子力機構は、中国の原子力発電所建設の長期計画として現在稼働中の9基、建設中の2基に加え、2020年までに新たに27基を追加建設、合計出力を現在の5倍以上の3600万キロワットまで拡大する方向で検討していることを明らかにした。
 中国では急速な経済成長が続く一方、環境問題に配慮し主要エネルギー源である石炭の利用を抑え、原発建設に力を入れたい考えだと言う。
 現在の出力は9基で701万キロワット、来年までに完成する建設中の2基も含めると913万キロワットに達している。
 中国政府は、20年の国内の総発電出力を9億キロワット程度(昨年末で約3億8000万キロワット)と推計。このうち原発の割合を現在の2%以下から4%以上に高めて3600万キロワットとすれば「環境保護と(石炭)輸送の圧力を大幅に緩和することができる」と強調している。
 10数年前だろうか、「チャイナ・シンドローム」という映画があった。たしか、中国で起きた原子力発電所の爆発事故で、地球の反対側に位置するアメリカに被害が及ぶ、というようなストーリーだったと記憶する。
 この、映画用に考えられた、ある種荒唐無稽の話が、現実味を帯びてきそうな気配だ。アメリカではなく、隣国の日本ではどれほどの影響を受けるか。この不安は、物語の中だけに留めておけるのだろうか。

「生物観察などで環境を考える」       

 東本願寺の“お堀”探検

 京都市下京区の東本願寺で、周囲の「お堀」を探検するイベントがあり、親子連れらが生き物の観察やごみ拾いなどを通じて、環境問題について考えた。
 職員や環境系の市民団体でつくる「東本願寺と環境を考える市民プロジェクト」が主催したイベントで、琵琶湖疏水から水が引かれ、都市部では貴重な生物の生息空間となっているお堀に着目した。
 生物観察ワークショップでは、参加者が見守る中、関係者がブルーギルやアメリカザリガニ、ミシシッピアカミミガメなどを捕まえた。
 市民団体メンバーが「外来種が目立つ琵琶湖の縮図で、ペット用の生き物を捨てる人もいる」と説明すると、子どもたちが熱心に耳を傾けた。また、地域防災にも役立てるため、お堀の水でバケツリレーを行った。
 全国の堀割りなどでも、子供達に環境を考えさせる機会が増えることを期待したい。

「貨物船が、岸に乗り上げた」       

 9月4日の深夜、午前2時半ごろ、広島県大崎上島町東野鮴崎(めばるざき)の海岸で、大分県津久見市港町、西瀧海運の貨物船がコンクリート製護岸に乗り上げた。
 貨物船は498トン、6人乗り。本来は、乗り上げた場所の沖合900メートルを航行するはずだったという。それが突然、高さ約5メートル、厚さ約1メートルのコンクリート製護岸を突き破ったのだ。
 船はさらに近くの住宅などに衝突、住宅1戸と空き家が全壊し、別の住宅1戸も一部が壊れた。全壊した住宅に住む男性が肩を打つなどして1週間のけがをした。
 呉海上保安部の調べでは、貨物船は約11ノット(時速約20キロ)で、ほぼ直角に護岸にぶつかり、そのまま船首部分が住宅に突っ込んだらしい。
広島県の福山港から山口県の徳山港までセメントなどの材料を運ぶ途中で、船長は「居眠りをしていた」などと話しているという。一部損壊した住宅にいた2人と、乗組員にけがはなかった。
 現場は瀬戸内海に浮かぶ大崎上島の北東部で、護岸付近に住宅が密集している。 安部さんは、自宅1階の寝室で寝ていて「ドーン」という音で目が覚めたという。「すぐ後に2階が崩れてきた。何が起きたか分からなかった」と話した。
 居眠りとは恐ろしいことだ。その裏には居眠りに至る様々な事情があることだろう。深夜に車が住宅に飛び込んできてさえ驚くのに、車も通らない海岸沿いの家で、静かに眠ることさえ許されないとは・・・自分たちの労働の環境、生活の環境の貧しさをあらためて考えさせられる。

「読谷村が米軍跡地に在来種植樹」       

 民間企業の主導による大規模な緑化事業「残波しおさいの森」推進計画が、沖縄読谷村の残波岬公園内の米軍射爆撃場跡地で、今年11月からスタートすることになった。
 沖縄電力が事業主体となって総額1億円を出資。地球温暖化防止対策の一環で、地元読谷村や地域住民と連携しながら、7年をかけて緑化を進める。対象面積は6ヘクタール。
 民間企業がこれほど大規模な緑化推進事業を実施するのは、県内では初めて。沖縄電力と読谷村が実施協定を結んで実施していく。
「残波しおさいの森」計画は植生が消えた土地に、地域住民が自然と親しめる森を再生し、温暖化の原因となる二酸化炭素の削減に取り組もうというもの。
 沖縄電力では「この森づくりを通して地域に貢献していきたい」としている。読谷村の安田慶造村長は「村としても10年前から植栽計画を進めているが、まだたくさん植樹の必要なところがある。沖縄電力の方針のもと、植栽が行われるということに非常に感謝している。ただ沖縄電力任せにするのではなく、村民もかかわりながら、植栽活動を行い、木の大切さなどを広めたい」と話している。
協定締結に向けて1年以上にわたり、支援を続けてきた県農水部みどり推進課では「民間企業による大規模な植樹は県内初の試みだ。全国的に見ても珍らしい」と話している。
植樹は残波岬公園内米軍射爆撃場跡地の、立ち木が一掃された土地で行われる。同社は昨年3月から緑化事業の実施を計画し、県の支援を受けて植栽する樹種の選定や予定地での不発弾探査などを行ってきた。
予定されている7年間の活動期間のうち、開始から5年目までは同社主催の植樹祭を年2回行い、その後も維持・管理のためのボランティア活動を実施していく。
今年11月に実施される予定の第1回植樹祭では、アダンやモンパノキなど、海岸に位置する同予定地に適した在来種を植樹する。自然植生により近い樹種を植え、地域住民の憩いの場となるような「本来そこにあるべき森」を復元し、育てていく考えだ。

「途上国のメタン削減に協力」       

ブッシュ米政権は28日、主に発展途上国で温室効果ガスの一種、メタンの排出を削減するため、日本や英国、インドなど計8カ国が協力して取り組むことになったと発表した。
ロシア、カナダも参加を検討中とのこと。
 米国ではメタン回収技術が普及しており、ブッシュ政権はこの枠組みを通じ、途上国への技術移転を狙っている。
 それに対して、日本は排出量の測定や記録で協力する方向だ。
 米環境保護局(EPA)によると、温室効果ガス全体に占めるメタンの寄与は16%で、炭鉱やごみの埋め立て地などが主な排出源とされている。
 天然ガスの主成分でもあるため、回収すればエネルギーとして利用でき、温暖化防止とあわせ一石二鳥の効果がある。

「自動車リサイクル料金」       

 来年一月から施行される自動車リサイクル法に対応し、自動車大手五社がユーザーから預かるリサイクル料金が出そろった。いずれも、当初の予想より低い水準となったが、新たなユーザー負担になることから各社は今後、施行までの半年間にリサイクル制度の理解に向けた取り組みを強化する方針だ。
大手五社は、自動車リサイクル法で引き取りが義務付けられたフロン類、エアバッグ類、破砕くずの三品目について車種ごとにリサイクル料を設定。フロン類ではマツダの一台2030円から日産自動車の2120円まで若干の幅がでた。
平成14年の法制定当時、リサイクル料は一台2万円程度とみられていたが、「所有者負担の最小化に努力した」(トヨタ自動車)ため、最終的に小型車は1万円程度に、軽自動車はホンダ「ライフ」が9320円〜9930円、ダイハツ「ムーヴ」で8970円〜9570円になった。
なかでも、破砕くずに関してはトヨタ、ホンダを中心としたグループと、日産、マツダなどのグループの二陣営に分かれ、処理費用に競争原理を生かした。
 日産の東畑透リサイクル推進室部長は「運動会と同じで、競うとなると燃える。10円単位でぎりぎりまで絞り込んだ」と話す。
年内に新車を購入しても来年以降最初の車検時に支払いが必要となるため、パソコンリサイクルなどと違い、駆け込み需要は発生しにくいとみられる。
 ただユーザーへの周知はこれから。新たな負担への理解が進まないと、購買意欲に水を差すことになりかねない。モデルチェンジなどにより車名は同じでも破砕くず量やエアバッグ個数が異なり、リサイクル料金も違ってくるため、自動車業界は検索ホームページを共同で年内に立ち上げるなど周知徹底に懸命だ。

「スタンプラリーで環境分野を勉強」       

 山形県は夏休み期間中、小学生を対象に、自然博物館など県内27の環境学習施設をめぐるスタンプラリーを今年初めて実施している。
 民間施設を含めた全県規模の同様のイベントは全国的にもほとんど例がないという。
 昨年10月に環境教育推進法が一部施行されたことなどを受け、県が子供たちに地球温暖化など環境問題に対して関心を持ってもらおうと企画。27施設はほとんどが入場無料で、県環境科学研究センター(村山市楯岡笛田)など公共施設のほか、東北エプソングリーンホール(酒田市十里塚)の展示コーナーなど民間施設も対象としている。
 県は専用の台紙7万部を用意。県教委を通じて県内の全児童に配布したほか、環境科学研究センターなどでも入手できるようにした。
 各施設で台紙にスタンプを押し応募すると、スタンプの個数に応じて抽選で記念品が当たるそうだ。
 県環境企画課は「なかなか訪れる機会のない施設も多いので、ぜひ夏休みに家族で訪問し、環境問題を考えるきっかけにしてほしい」と話している。
 実施期間は8月31日まで。問い合わせは県地球温暖化防止活動推進センター(電話:0237ー52ー3320)。

「高波の発生と地球環境」       

 高さ30メートルにもなる高波は、かつては非常にまれだと考えられていた。
が、実際にはかなり頻繁に発生しており、船の転覆や石油掘削装置の破壊の原因となる可能性があることが、欧州委員会の調査で明らかになった。
 欧州宇宙機関(ESA)の衛星2基が2001年の3週間にわたって収集したレーダー画像を調べた結果が今月公表されたが、この調査から、地球上の海洋ではこの3週間に、いわゆる異常波浪(Rogue Wave)が10回以上発生していたことが明らかになった。ESAによると、つい最近まで、こういった高波が発生するのは1万年に1回程度だと考えられていたという。
 欧州委員会から資金提供を受け今回の調査を実施した『マックスウェーブ』プロジェクトの主任研究者を務めるボルフガング・ローゼンタール博士は、この調査結果が将来的には高波を原因とする多くの事故の予防につながるかもしれないと述べている。
 ローゼンタール博士はプロジェクトの研究を概説する声明の中で、次のように述べている。「マックスウェーブは昨年末に正式な調査結果をまとめたが、現在も2つのテーマに沿った研究が進められている。1つは、船舶がどのようにして沈んでしまうのかを調べてその設計法を改善すること、もう1つは、衛星データの調査を継続して予測が可能かどうかを分析することだ」
 海事業界は、財務面および安全面から、高波を原因とする事故の防止を望んでいる。大半の大型船舶と石油掘削装置は、約15メートルまでの高波に耐えられるよう設計されている。しかし、北海に建設された石油掘削装置『ドラウプニル』の計測器は、1995年に約26メートルの高波を記録している。
 2001年に、『ブレーメン』および『カレドニアン・スター』という2隻の大型客船は、南太平洋で約30メートルの高波に遭遇し、ブリッジの窓ガラスが砕けたと報告した。
 マックスウェーブは、ここ20年で悪天候のため沈没したとされる200隻の巨大タンカーやコンテナ船の中には、実はこの異常波浪が原因だった事故も含まれているのではないかと推測している。
 高波の被害に脅かされる船舶には気の毒だが、解決策が提案されるまでには、もっと多くの調査が必要となる。たとえば、異常波浪がどのようにして形成されるかについては、はっきりしたことはまだわかっていないようだ。
 米海洋大気局(NOAA)で異常波浪を研究する海洋学者のポール・リュー博士は「そこで何が起きているか、われわれは理解していない」と語る。「仮説はいくつかあるが、それらの説が実際の海洋環境に当てはめられるものだとは思えない」
 たとえば、2つの波が一定の条件で出会うと、1つの大きな波になるという仮説がある。しかしリュー博士は、簡単すぎるとしてこの説を切り捨てる。「一番簡単に思い浮かぶ説だが、多少単純すぎる。
 可能性としてはある。しかし、もしそれが本当なら、高波は頻繁に目撃されるはずだ」
 実際に、海流がぶつかる地点では異常波浪の発生が確認されているが、遠く離れた別の場所でもやはり発生しているため、研究者たちは、波の大きさには風などの他の気象要因も影響するのかもしれないと考えている。
 現在、『ウェーブアトラス』と名付けられた新しいプロジェクトが、この謎を解明するため、高波の記録と、高波に関連した事故の記録をデータベース化する作業に取り組んでいる。最初の報告書は2005年早々に発表される予定だ。
 リュー博士は、マックスウェーブの研究に力づけられる面はあるが、自分はむしろドラウプネル石油掘削装置で測定されたような実測値をもっと集めたいと述べた。博士は、船舶に測定装置を積むことも提案している。
「海洋では、異常波浪がたくさん発生しているのだと思う。しかし、森の中で木が倒れても、その音を聴く人が誰もいない場合と同じで、海で高波が発生しても、誰もそれを記録しなければ、何が起きているのかわからないのだ」とリュー博士は語った。

「課題の残るダイオキシン問題」       

 大阪府能勢、豊能両町のごみ焼却施設「豊能郡美化センター」の高濃度ダイオキシン汚染問題で、公害調停を申請した住民側が総会を開き、府公害審査会の調停委員会が示した調停案を受諾することを正式に決めた。
 施設を建設した三井造船と運転していた三造環境エンジニアリング、両町、同センターを運営・管理する豊能郡環境施設組合は既に受諾を決定していたもので、これで調停は調印式を経て正式に成立することになった。
 住民側は調停委員会の求めに応じ、国と大阪府を調停の対象から外す。
 調停案は、三井造船側が総額7憶5000万円を支払うことや、組合・両町による20年間の環境調査と住民らの健康調査などが盛り込まれているが、個人補償や風評被害の補償などは、含まれていない。
 総会は能勢町自然休暇村管理センターであり、約40人が出席。住民でつくる豊能郡ダイオキシン公害調停を進める会の松尾信子事務局長が「個人補償もなく、三井造船の補償額は7億5000万円と十分ではないが、製造者が、業者に引き渡したものに補償するのは初めて」と調停案を評価。また、弁護団の池田直樹弁護士は「(調停で)すべての問題が解決するわけではなく、一つの枠組みを作ることだ」と調停受諾に理解を求めた。
 しかし、調停案への質問で不満を表明する参加者もいて、全申請人1155人のうち、受諾に同意しない人と労災訴訟の原告の元従業員3人ら計16人が申請人を外れることになった。
 また、ダイオキシン汚染問題では、汚染物の処理施設の建設場所などについて、まだ決まっておらず、今後の大きな課題となっている。

「超高層で初の環境共生住宅」       

「景観法」ができて、周囲の景観や環境に合うようにマンションや戸建て住宅、商業ビルが作られるようになってきた。今まではこうした配慮よりも、いかにコストを下げて売りやすいように作るかに力を入れてきたが、そうしたやり方では消費者の反発を買うだけで、環境や景観といかに共生していくかで住宅やマンションの価値が決まるようになってきた。
  国土交通省はこうした環境と共生する住宅に対して、「環境共生住宅」という認定制度を始めている。財団法人
「建築環境・省エネルギー機構」(理事長・村上周三慶応大教授)が個別供給型と団地供給型の二つに分け、条件に合うかどうか調べて認定する。この財団は80年3月にできたが、環境についての京都議定書ができてから住宅についての環境を守るための活動に切り替え、4年前に現在の名前に変えた。
 すでに個別供給型では12、団地供給型では10の計22の住宅が認定されている。「地域との紛争は無いか」「空地率は確保しているか」「子育て支援設備はあるか」などについての基準があり、これに合致しないと認定されない。
マンション業界最大手の「大京」はすでに個別供給型では「グリーンティエラ星が丘」(神奈川県相模原市、01年12月竣工)、団地供給型では「フォレストレイクひばりが丘」(西東京市、03年3月竣工)が環境共生住宅の認定を受けている。同社は、大阪のマンションでシックハウス症候群になったという疑いで住民から訴えられ、係争中である。こうしたマイナスイメージを覆すためにも、環境と共生する住宅を作る努力をしてきた。業界では旭化成ホームズも「環境共生的な視点から開発した3階建て住宅」を新発売する。

「海に沈む国々」       

 先週伝えた島国国家だけではなく、低地の国々も海面上昇に脅かされている。1999年に世界銀行が発表した地図によると海面が1m上昇するとバングラデッシュの水田の半分が水浸しになる。
 今世紀に予測されるように海面上昇が1mにも及んだ場合、バングラデシュから移住を強いられる人々の数は数千ではなく数千万人に達するだろう。人口1億3400万人が暮らす人口が世界で最も密集している地域にとっては想像を絶する事態である。この環境難民たちはどこへ行くのだろうか。

 河川流域の氾濫原で稲が育つインド、タイ、ベトナム、インドネシア、中国などの他のアジア諸国にも影響が及ぶであろう。海面が1m上昇すると、上海の3分の1以上が水没する。100年規模の高潮が発生すると、中国全域では7000万人が窮地に立たされる。

 海面上昇の影響が最も容易に計測できるのは沿岸地域の浸水である。メリーランド州立大学環境科学センター(University of Maryland Center for Environmental Sciences)のドナルド・F・ボッシュ氏(Donald F. Boesch)の推定では、海面が1mm上昇すると、海岸線が平均1.5m後退する。したがって、海面が1m上昇すると、海岸線は1,500m後退することになる。
 海面が1m上昇した場合、米国では36,000kmの土地が消失し、大西洋の中央とミシシッピ湾岸の州で被害が大きいだろう。50年規模の高潮が発生すると、ロワー・マンハッタンとワシントンD.C.のキャピトルモールの大部分に海水が浸水する。

 ウッズホール海洋学研究所(Woods Hole Oceanographic Institute)のあるチームは、温暖化が進み海面が上昇した場合のマサチューセッツ州の土地消失を算出した。 やや控えめな米国環境保護局による2025年までの海面上昇の予測を用いた計算によると、マサチューセッツ州では7,500〜10,000エーカーの土地が失われると推定される。
 これは低く見積もった予測であるが、高価な海沿いの不動産を額面価格の1エーカー当たり100万ドルとした場合、少なくとも75億ドルの損失となる。
 調査の対象となった72の沿岸地域では土地の消失面積は地域によって異なる。年間の土地消失はナンタケットで6エーカーを超えるが、ファルマウスでは3.8エーカーとなる。
 沿岸の不動産価格は海面上昇を反映する最初の経済指標の1つになるだろう。海岸沿いの不動産への投資家が特に損害を被るだろう。米国で海面が50cm上昇すると、200億〜1500億ドルの損失をもたらしかねない。フロリダ州の住宅所有者の多くが経験したように、海岸沿いの不動産は原子力発電所のように保険がかけられなくなっている。

 多くの開発途上国は現在、人口増加と生活空間や耕地の確保をめぐる問題に悩まされているが、次は起こりうる海面上昇と大規模な土地消失である。
 影響がもっと顕著な国のなかには、この問題の一因である大気中のCO2増加との関与が少ない国がある。 米国人が海岸沿いの高価な不動産を失うことに比べて、低地の島国諸国の人々が直面している問題ははるかに深刻で、国家の存亡の危機である。
 これらの国々は、不確実な米国のエネルギー政策に怯え、米国に対して、他国が置かれている苦境に無関心な上、京都議定書の実施を唱える国際社会に非協力的である凶暴な国家だという見方をしている。
 海面上昇が測定可能なほどに進行し始めたのは文明が始まって以来である。これは注目すべき現象で、想像を絶するような規模の人類大移動が引き起こされるかもしれない。またこの現象は人類がかつて直面したことのない、他国や次世代に対する責任についての疑問も投げかけている。

「海面上昇により国土を失う島国」       

 太平洋の真中にある小さな島国ツバルは、ちょうどハワイとオーストラリアの間に位置する。ツバル政府は、海面上昇との戦いで敗北を認め母国を去ることを発表した。
 ニュージーランドは、ツバルの全国民11,000人の受け入れに同意した。
 記録によると、20世紀に海面は20〜30cm(8〜12インチ)上昇している。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によると、今世紀における上昇は1mにも及ぶことが予測されている。
 海面上昇の原因とされている氷河の融解や温まった海水の膨張は、気候変動がもたらした結果の一つである。これらの気候変動は、化石燃料の使用を主な原因とする、大気中のCO2濃度の上昇により発生している。 海面水位が上昇するにつれ、低地にあるツバルでは氾濫がおこり、塩害の悪影響は飲料水や食糧生産にも及んだ。9つの島で構成されるこの国では沿岸の浸食が今も進んでいる。
 海面を上昇させる温暖化は暴風雨の大型化の原因ともなる。熱帯及び亜熱帯地方で海水の表面温度が上昇すると、エネルギーが多量に大気へ放出されて暴風雨の発生を促すためである。
 ツバル政府高官のパアニ・ラウペパ氏の報告では、過去10年間で異常気象ともいえる強いサイクロン(熱帯性低気圧)が観察されている(サイクロンは大西洋でハリケーンと呼ばれている)。
 ラウペパ氏はCO2の排出を削減するための国際協定である京都議定書からの離脱を唱えている米国を厳しく批判している。BBC記者との会見で「米国は議定書の批准を拒絶することにより、ツバルの次世代の人々が数千年の間祖先が暮らしてきた土地に住むという、根元的な自由を否定した」と語った。
 これは島国諸国の政府にとって、今始まった問題ではない。1987年10月、モルディブ大統領マウムーン・アブドゥル・ガユーム氏は、国連総会に彼の祖国が海面上昇による危機に脅かされていると熱弁をふるった。
 彼の言葉では、人口30万人のモルディブは「絶滅の危機に瀕した国家」であった。1,196の小さな島々のほとんどは海抜2m以下であるため、高潮の時に海面が1m上昇しただけでもモルディブの存続は危うくなる。
 ツバルは海面上昇のために避難することになる最初の国だが、最後でないことはほぼ間違いない。ツバルは11,000人の家を探し求めているが、将来モルディブを去らざるを得なくなるかもしれない31万1000人はどうなるのだろうか?
 あるいは低地にある国々に住む、他の何百万人もの人々が近い未来に環境難民となる時に、彼らの受け入れ先はあるのだろうか。国連は環境難民割り当て制度を定めて、各国の人口を考慮して難民を振り分けせざるを得ないのだろうか。
 それとも、このような移住を引き起こした気候変動の一因となった各国の影響度に応じて振り分けられるのだろうか。 ほとんどなすすべがない気候変動に恐れをなして、島国諸国はAOSIS(小島嶼国連合)を設立して団結し、気候変動で窮地に立たされる国々を代表して、主に陳情活動に取り組んでいる。

「絶滅危惧種を守るタイムカプセル」       

 ツシマヤマネコやヤンバルクイナなど絶滅の恐れがある哺乳類、鳥類、魚類の細胞や遺伝子を50年以上保存する施設「環境試料タイムカプセル棟」が、独立行政法人・国立環境研究所(茨城県つくば市)に完成し、公開された。これらの細胞をもとに将来、生命工学技術による絶滅種の復元や、絶滅原因の研究・解明に取り組むということだ。
 この施設には、液体窒素で零下150度に冷やせる保存用タンク14基が設置されている。生きた個体から採取した皮膚の組織や、死体から採取した臓器や生殖細胞が保存される。総工費は約17億円で、保存対象は「日本の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータブック)」に記載された200種以上の鳥類や哺乳類、魚類。緊急性の高いものから順次保存される。
 野生種が絶滅したトキや、絶滅危惧種のツシマヤマネコとリュウキュウアユの精子や臓器の細胞などがすでに凍結保存されている。
 ヤンバルクイナやライチョウ、ワシミミズクの組織採取・培養も始まっている。
 哺乳類の復元については、クローン技術の応用が考えられている。鳥類は、近縁種の卵の中に絶滅種の生殖細胞を注入する方法が使えるとみられている。魚類でも似た方法が使われる見通しだ。
 同施設ではこのほか、各地で採取したエイやムール貝の仲間の組織、母乳、大気粉塵など環境試料も凍結して保存し、環境汚染の変化を長期間、追跡研究するのに役立てるということだ。



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